家計と資産作り

相続した家を売る前に読む!後悔しない不動産売却ガイド|空き家・実家の処分を“揉めず・損せず”進めるために

こんにちは! 7歳と4歳のやんちゃな息子たちと格闘しながら、子育てやお金の情報を発信している「しずく」です。

最近、私の親世代や、ママ友のご両親の世代でよく話題になるのが「実家の相続」問題。
「親が残してくれた家、どうしよう…」と。

都心に住んでいると、実家が遠方だったり、兄弟はいるけど誰も住む予定がなかったり。かといって、思い出の詰まった家をすぐに「売る」と決断するのも難しいですよね。

でも、私たち子育て世代も、いつかは直面するかもしれない問題。そして、NISAや節約でコツコツ資産を増やそうとしている今だからこそ、「資産」としての不動産を放置しておくことのリスクも気になっちゃいます。

固定資産税はずっとかかり続けるし、家はどんどん古くなる。もし兄弟間で意見が違ったら…?

「あの時、ちゃんと話し合っておけばよかった」
「放置しないで、もっと早く動けば損しなかったかも…」

そんな後悔をしないために、相続した実家や空き家をどうすべきか、売却するならどんな手順や注意点があるのか。「揉めず・損せず」進めるための基本的な知識を、一緒に整理していきませんか?

相続した家を「売る・売らない」で迷う人が増えている理由

親から大切な実家を受け継いだものの、すぐに「売る」と決断できる人は少ないですよね。「いつか使うかも」「思い出が…」と、結論を先延ばしにしてしまう気持ち、とてもよく分かります。

でも、現実は待ってくれません。なぜ今、多くの人が「相続した家」の扱いに迷い、そして「放置」が問題になっているのでしょうか。まずはその背景と、放置することで起こり得る具体的なリスクを見ていきましょう。

空き家問題・固定資産税負担・相続人間の意見分裂

そもそも、なぜ「売る・売らない」で迷ってしまうのでしょう。

一番大きいのは、やはり「実家への思い入れ」ですよね。自分が育った家、家族の歴史が詰まった場所を、お金に換えることへの抵抗感。これは理屈じゃありません。

でも、それと同時に「現実的な問題」も山積みです。

  • 住む人がいない(空き家問題):
    相続した人がすでに持ち家に住んでいたり、実家が遠方で管理できなかったりするケース。総務省の調査(※1)によると、全国の空き家数は年々増加傾向にあり、社会問題にもなっています。
  • かかり続ける「固定資産税」:
    これが本当に見落とせないポイントです。家は、持っているだけでお金がかかります。誰も住んでいなくても、毎年「固定資産税」や「都市計画税」が請求されます。私たち主婦にとって、使っていないものにお金を払い続けるのは、かなりの負担ですよね。
  • 相続人間での意見の不一致:
    相続人が複数(例えば兄弟姉妹)いる場合、「売りたい人」と「残したい人」で意見が割れることも。「長男だから実家を守るべき」という考え方や、「公平に現金で分けたい」という本音など、立場によって考えが違うのは当然のこと。ここで話し合いがこじれると、時間だけが過ぎていってしまいます。

(※1)参考:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」など。最新の調査でも空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)は過去最高を更新する傾向が続いています。

放置すると起こるリスク(老朽化・特定空き家指定・税負担)

「とりあえず、そのままにしておこう」
その判断が、将来的に大きな損やトラブルに繋がる可能性があるんです。

家は生き物と同じで、人が住まなくなると急速に傷みます。換気がされないと湿気でカビだらけになったり、雨漏りやシロアリが発生したり。

さらに、放置が続くと法的なリスクも発生します。

① 資産価値の低下
当然ですが、建物は築年数が経つほど価値が下がっていきます。特に管理されていない家は老朽化が早く、いざ売ろうと思った時には「解体費用の方が高くつく」なんてことも…。

② 「特定空き家」に指定されるリスク
これが一番怖いです。
倒壊の恐れがある、衛生上有害、景観を著しく損なう…といった状態だと、自治体から「特定空き家」に指定されてしまうことがあります。

「特定空き家」に指定されるとどうなるか?

最大の問題は、固定資産税の優遇措置が受けられなくなること。
通常、住宅が建っている土地は税金が安く(最大1/6に減額)なっています。しかし、特定空き家に指定され、自治体からの改善勧告に従わないと、この優遇が外れます。
結果として、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があるんです!

③ 近隣トラブルの発生
老朽化で屋根瓦が隣の家に落ちたり、雑草が生い茂って害虫が発生したり、不審者が侵入したり…。ご近所トラブルに発展すれば、精神的な負担も計り知れません。

早めに判断することが資産を守る第一歩

思い出も大切ですが、私たちママ世代は「現実的なお金」のことも考えないといけませんよね。

相続した不動産は、マイナス(負債)ではなく、大切な「資産」のはず。
その資産が、放置することによって価値を失い、さらには税金や管理費という「支出」を生み出し続けるとしたら…?

NISAでコツコツ将来のために備えているのに、別のところでお金が漏れ出している状態は、家計全体で考えたらすごく「もったいない」ですよね。

「売る・売らない」の決断を先延ばしにすることは、実は「放置リスク」を選んでいることと同じかもしれません。

だからこそ、家族や兄弟が元気で、冷静に話し合いができるうちに、「この家、どうする?」と早めに方向性を決めることが、結果的に家族みんなの資産を守る第一歩になるんです。

相続不動産を売る前に知っておくべき3つのポイント

「売ろう!」と決めても、相続した不動産は、普通の不動産売却とは少し違います。一番の違いは、「家の名義(所有者)」が亡くなった親のままになっていること。これを整理しないと、売却活動そのものがスタートできません。

税金の話や、兄弟で相続した場合の注意点など、売却の「土台」となる重要な知識をチェックしましょう。

名義変更と登記の手続き(相続登記義務化にも注意)

まず、絶対に避けて通れないのが「相続登記(そうぞくとうき)」です。

相続登記とは、亡くなった親(被相続人)から、家を引き継いだ相続人(例えば、しずくさんやその兄弟)へ、不動産の名義(所有権)を変更する手続きのこと。法務局に申請します。

「まだ売るか決めてないし、面倒だから…」と後回しにしがちだったこの手続き。
実は、法改正によって2024年4月1日から義務化されました。

  • ポイント:
    • 相続(または遺言)で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
    • 過去に相続した不動産(改正前に発生したもの)も、3年間の猶予期間内(2027年3月31日まで)に登記が必要です。
    • 正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

つまり、「とりあえず親名義のまま放置」は、もう許されなくなったんです。
売る・売らないに関わらず、相続が発生したらまず「相続登記」をする。これが鉄則になりました。

相続税・譲渡所得税など「税金の全体像」

「家を売ったら、税金がすごくかかるんじゃない?」
これ、私もすごく気になるところです。NISAで非課税枠を気にするように、不動産売却でも「かかる税金」と「使える控除」を知っておかないと、手元に残る金額が全然違ってきます!

相続不動産の売却で関係する税金は、大きく2つのタイミングで発生します。

① 相続した時:「相続税」

  • 遺産総額(不動産、預貯金など全て)が「基礎控除額」を超えるとかかります。
  • 基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
  • (例)相続人が妻と子供2人(計3人)なら、3,000万+(600万×3人)=4,800万円。遺産がこれ以下なら相続税はかかりません。

② 売却した時:「譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)」

  • こちらが本題。家を売って「利益(儲け)」が出た場合にかかる税金です。(住民税も含まれます)
  • 利益(譲渡所得) = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

「取得費」が分からない(親がいくらで買ったか不明な)場合も多いですが、その場合は売却価格の5%で計算されます。

<重要!>使える特例を知らないと大損も!
相続した家を売る場合、税金を安くできる特例がいくつかあります。

  • 特例1:取得費加算の特例
    • もし相続税を支払っていた場合、その相続税の一部を「取得費」に上乗せできる制度。これにより利益が減り、税金が安くなります。
    • 注意点: 相続開始の翌日から3年10ヶ月以内に売却する必要があります。
  • 特例2:空き家の3,000万円特別控除
    • 相続した空き家(一定の条件あり※)を売却した場合、利益から最大3,000万円を差し引ける、非常に強力な特例です。
    • (※)耐震基準を満たすか、家を取り壊して更地にして売る、売却代金が1億円以下など、細かい条件があります。

こうした特例は、自分で調べて申告しないと使えません。「売るタイミング」や「家の状態」によって使えるかどうかが変わるため、必ず不動産会社や税理士さんに相談が必要です。

共有名義のままでは売却できない理由

相続人が複数いる場合(例えば、兄弟3人など)、遺産分割協議(話し合い)をして、「誰が相続するか」を決めます。

この時、「平等に」と考えて、不動産を「兄弟3人の共有名義」で相続登記してしまうケースがあります。
一見公平に見えますが、売却を考えるなら、共有名義は絶対に避けるべきです。

なぜなら、不動産(共有名義)を売却するには、共有者「全員」の同意と実印が必要だから。

  • 1人でも「売りたくない」と言い出したら売れません。
  • 1人が認知症になったり、連絡が取れなくなったりしても売れません。
  • さらに、その1人が亡くなると、その子供たち(甥や姪)に権利が分散し、関係者がどんどん増えていきます…。

「とりあえず共有」は、問題を先送りにして、将来のトラブルの種を蒔ているようなもの。
売却するなら、「相続人のうちの誰か1人(代表者)」の名義にするか、売却して現金化してから分ける「換価分割(かんかぶんかつ)」を選ぶのが賢明です。

相続した家を売却するまでの流れと必要書類

さて、売却の意思が固まり、名義や税金のポイントも押さえたら、いよいよ実務がスタートです。「不動産売却」と聞くと、書類がたくさんあって大変そう…と身構えてしまいますよね。

でも、全体の流れ(ロードマップ)が分かっていれば、今どの段階にいるのかが明確になり、不安も減るはず。ここでは、相続不動産ならではのステップを含めた売却の全体像と、慌てないための必要書類をまとめます。

ステップ① 相続登記 → ステップ② 査定依頼 → ステップ③ 売却契約

相続不動産の売却は、通常の売却に「ステップ① 相続登記」が加わるのが特徴です。

ステップ①:相続登記(名義変更)【最重要】
H2-2でも触れましたが、まずは亡くなった親名義から相続人名義へ変更します。
これには「遺産分割協議書(相続人全員が合意した書類)」などが必要で、司法書士さんに依頼するのが一般的です。これが完了しないと、次のステップには進めません。

ステップ②:不動産会社へ査定依頼
ここからが本格的な売却活動です。
「この家、いくらで売れるんだろう?」という価格を知るために、不動産会社に査定を依頼します。

ここで大事なのは、必ず「複数の会社」に査定してもらうこと。
1社だけだと、その査定額が高いのか安いのか、妥当なのかが分かりません。車を売る時に相見積もり(複数の会社に見積もりを依頼すること)を取るのと同じですね。

  • ポイント:
    • 会社によって査定額が数百万円単位で違うことも珍しくありません。
    • 「高く売る」だけでなく、「相続案件に強いか」「空き家の管理も任せられるか」といった視点で会社を選ぶことも大切です。
    • (この部分は後のH2-5で詳しく解説しますね!)

ステップ③:媒介契約 → 売却活動 → 売買契約
査定額や担当者の対応を見て「ここにお願いしよう!」という不動産会社を決めたら、「媒介契約(ばいかいけいやく)」を結びます。(=「売却をお願いします」という正式な契約です)

その後は、不動産会社が購入希望者を探してくれます。
購入したい人が見つかれば、価格や引き渡し条件などを調整し、「売買契約」を結びます。
最後に、物件の引き渡しと代金の受け取り(決済)を行って、すべて完了です。

必要な書類一覧(登記簿・印鑑証明・固定資産税納税通知書など)

「書類集めが大変!」というイメージですが、実は「相続登記」と「売買契約」の2つの山場を越えれば大丈夫。特に重要なものをピックアップしました。

タイミング 必要な主な書類 誰が用意する?
相続登記の時 ・被相続人(親)の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書(相続人全員の実印)
・相続人全員の印鑑証明書 など
相続人
(司法書士に依頼)
査定依頼の時 ・固定資産税納税通知書(または評価証明書)
・登記簿謄本(あれば)
・間取り図、測量図(あれば)
相続人
売買契約の時 ・登記済権利証(または登記識別情報)
・実印、印鑑証明書(発行3ヶ月以内)
・本人確認書類(運転免許証など)
相続人(売主)

特に大変なのが、相続登記の「戸籍集め」。亡くなった親御さんの「生まれてから亡くなるまで」の全ての戸籍を集める必要があり、本籍地が色々変わっていると、全国の役所に請求することも…。

だからこそ、この段階は司法書士さんなどプロの手を借りるのが一番確実で早いんです。

売却完了までの期間の目安

「相続登記の義務化(3年以内)」という期限はありますが、売却自体はいつまで、と焦る必要はありません。
ただ、H2-2で触れた税金の特例「取得費加算の特例」を使いたい場合は、相続開始から3年10ヶ月以内に売る必要があります。

一般的な流れとしては、

  1. 相続登記完了まで: 1〜3ヶ月(戸籍集めや遺産分割協議がスムーズに進んだ場合)
  2. 査定〜媒介契約まで: 1〜2週間
  3. 売却活動〜売買契約まで: 3〜6ヶ月(家の状態や立地、価格によります)
  4. 決済・引き渡しまで: 約1ヶ月

トータルで見ると、相続が発生してから売却完了まで、早くても半年、通常は1年近くかかることも珍しくありません。

だからこそ、「どうしようか」と迷っている時間がもったいないんです。
まずはステップ①の相続登記を(義務なので)進めつつ、ステップ②の「査定依頼」で、今の資産価値を知っておくことが、「売る・売らない」の判断材料にもなりますよ。

相続人間のトラブルを防ぐために

手続きや税金のことは、時間をかければ(あるいはお金を払えば)専門家が解決してくれます。でも、相続で一番やっかいなのは、お金では解決しにくい「家族間の感情的なもつれ」ではないでしょうか。

「長男だから」「昔、お世話したから」「私は損してる」…。そんな感情論が始まると、話し合いは一気にストップしてしまいます。大切な家族と揉めないために、押さえておきたい3つのコツをご紹介します。

分配前に「不動産の価値」を正しく把握する

相続トラブルの最大の原因は、「不公平感」です。

特に不動産は、預貯金のように「はい、3等分ね」と簡単に分けられません。
例えば、兄弟3人で相続するケースを考えてみましょう。

  • パターンA(揉める例):
    • 兄:「俺が実家(不動産)を相続するよ。その代わり、お前たちには預貯金を渡す」
    • 妹:「待ってよ。その実家、いくらの価値があると思ってるの? 預貯金よりずっと高いんじゃない?」
    • 兄:「昔からこの家に住んでたんだぞ! 思い出もあるし、俺が管理してきたんだ!」

…こうなると、もう大変です。「実家の価値」がいくらなのか、共通の認識がないまま感情論でぶつかってしまいます。

  • パターンB(円満な例):
    • 兄:「まず、専門家に実家の価値を査定してもらおう。仮に2,000万円だったとする」
    • 兄:「預貯金が1,000万円あるから、遺産総額は3,000万円だね」
    • 妹:「じゃあ、1人1,000万円ずつ。兄さんが家(2,000万円)を相続するなら、私と弟に1,000万円ずつ現金で渡してくれれば公平だね」

このように、話し合いの「前」に、まず不動産の客観的な価値(査定額)を全員で共有すること。
これがトラブル回避の絶対条件です。

第三者の専門家(不動産会社・税理士)を間に入れるメリット

「価値を把握する」と言っても、誰がどうやって調べるのでしょう。
相続税路線価、固定資産税評価額、実勢価格(時価)…不動産の価格には色々あり、素人では分かりません。

ここで役立つのが、不動産会社や税理士といった「第三者の専門家」です。

家族だけで話し合うと、どうしても「昔の感情」や「それぞれの事情」が入ってしまいがち。
「兄さんは昔、親に留学費用を出してもらったじゃないか」
「私はずっと親の介護をしてきたんだから」
こうした“言い分”は大切ですが、遺産分割とは別の話です。

間に専門家が入ることで、

  • 感情論をリセットできる:
    専門家は「法律上どうなるか」「税金はいくらか」「市場価値はいくらか」という客観的なデータ(数字)だけを提示します。
  • 「落としどころ」を提案してもらえる:
    例えば、「売却して現金で分ける(換価分割)のが一番公平で、税金の特例も使えますよ」といった、全員が納得しやすい具体的な選択肢を示してくれます。
  • 面倒な手続きを任せられる:
    相続登記(司法書士)、税金計算(税理士)、売却(不動産会社)と、各プロに任せることで、相続人の負担は最小限になります。

身内だからこそ言いにくいお金の話も、専門家というワンクッションを置くことで、冷静に進められるんです。

感情でなく“数字とデータ”で判断するコツ

とはいえ、最終的に決めるのは家族です。
その時に大切にしたいのは、「思い出(感情)」と「資産(数字)」を分けて考える姿勢かもしれません。

実家は確かに思い出の場所ですが、同時に「資産」でもあります。
感情面で「残したい」という人がいるなら、その人が他の相続人に対して、どうやって公平に「代償金(自分の取り分を超える分のお金)」を支払うのか、数字で示す必要があります。

逆に、「管理できないから売りたい」という人も、感情的に「もういらない!」と言うのではなく、
「放置した場合の固定資産税(数字)」
「老朽化による修繕費(数字)」
「売却した場合の査定額(数字)」
こうしたデータを揃えて、「だから売却するのが合理的だ」と説明する。

私たちママ世代が、NISAのシミュレーションを見ながら「将来これだけ必要だから、月々この金額を積み立てよう」と考えるのと同じですよね。

感情を無視する必要はありませんが、感情だけで突っ走ると必ず揉めます。
「みんなが損しないためには、どの選択が数字上ベストか?」
この視点を持つことが、家族円満な相続への一番の近道です。

HOME4Uで信頼できる不動産会社を見つける方法

相続した実家を売る。これは、一生に何度も経験することではありません。だからこそ、パートナーとなる不動産会社選びは絶対に失敗したくないですよね。

でも、近所の不動産屋さんにふらっと入って「相続なんですけど…」と相談するのは勇気がいるもの。「しつこく営業されたらどうしよう」「安く見積もられたらイヤだな」…。そんな不安を解消してくれるのが、ネットで完結できる「不動産一括査定サイト」なんです。

査定依頼前に複数社の価格を比較する意義

H2-3でも少し触れましたが、なぜ「複数社」に査定を頼む必要があるのでしょうか?

それは、不動産会社によって「査定額」も「得意分野」も全く違うからです。

  • 査定額の違い:
    ある会社は「2,000万円」と査定し、別の会社は「2,300万円」と査定することも。この300万円の差がなぜ生まれるかというと、「その地域での販売実績」や「抱えている顧客リスト」が違うからです。1社だけの査定額を鵜呑みにするのは、とても危険です。
  • 得意分野の違い:
    不動産会社にも色々あり、「新築マンション専門」「賃貸専門」「都心のタワマン専門」など様々。相続した実家(特に地方や郊外の古い戸建て)の売却や、空き家の管理ノウハウを持っている会社は限られます。

「相続税の特例を使いたい」「兄弟で揉めないように進めたい」といった複雑な事情を、賃貸専門の会社に相談しても、ベストな答えは返ってこないかもしれません。

だからこそ、複数の会社に「同じ物件」を見てもらい、その査定額と「なぜその金額なのか?」という根拠、そして「相続案件への対応力」を比較することが不可欠なんです。

HOME4Uなら相続・空き家対応の実績ある会社に絞れる

「複数社に頼むのが大事なのは分かった。でも、どこに頼めば…?」
そこでお勧めしたいのが、NTTデータグループが運営している老舗の一括査定サイト「HOME4U(ホームフォーユー)」です。

私自身、サイトを選ぶときは運営会社を気にするタイプ。特に不動産のような高額な資産を扱うなら、信頼できるところが一番ですよね。その点、HOME4Uは日本で最初(2001年~)に始まった不動産一括査定サービスで、運営歴が長いという安心感があります。

私が「相続案件にいいな」と思ったポイントはここです。

  • 悪質な会社を排除する仕組み:
    HOME4Uは提携する不動産会社を厳選しているそうです。過去の実績や地元の評判などをクリアした会社だけが参加できる仕組みなので、「変な会社に当たったらどうしよう」という不安が少ないのは、ママ目線でも嬉しいポイント。
  • 「相続」「空き家」に強い会社が見つかりやすい:
    査定を依頼する際、物件の種類で「空き家」を選んだり、要望欄に「相続手続きの相談もしたい」と書き添えたりできます。HOME4U側が、そうしたニーズに対応できる実績のある会社を自動でマッチングしてくれるため、自分で探す手間が省けます。

まずは「相場を知る」ステップとして活用する

もちろん、「査定を依頼したからといって、すぐに売らないといけない」なんてことは全くありません。
H2-4で見たように、まずは「家族会議の材料(=客観的な数字)」を手に入れることが目的です。

  • 「いくらで売れるか」を知るのがスタート:
    「HOME4U」のような一括査定サイトは、まだ売るか決めていない段階でも、「今の資産価値を知りたい」という目的で使えます。
  • 机上査定(簡易査定)も選べる:
    「いきなり家に来られるのは困る」という場合は、まずは物件情報(住所、築年数、間取りなど)だけで概算の価格を出してもらう「机上査定」を選ぶことも可能です。(※より正確な金額を知るには、実際に見てもらう「訪問査定」が必要です)

不動産会社に行くのはハードルが高いですが、ネットで必要な情報を入力するだけなら、子供が寝た後でもできますよね。

相続した実家の扱いは、「放置リスク」と「家族の感情」が絡む難しい問題。
でも、その第一歩は「客観的な価値を知ること」。
そのための信頼できるパートナー(不動産会社)探しに、HOME4Uのようなサービスは賢い選択肢の一つだと思います。

まとめ|放置せず、“今”動くことが最善の相続対策

ここまで、相続した実家を売却するために知っておきたいリスクや手続き、トラブル回避のコツを見てきました。専門用語も多くて「やっぱり大変そう…」と感じたかもしれませんね。

相続した家の問題は、ついつい後回しにしがちです。
「思い出が詰まっているから」「兄弟と話し合うのが面倒だから」「何から手をつけていいか分からないから」…。

その気持ち、本当によく分かります。

でも、この記事で確認してきたように、「何もしない(放置する)」という選択は、金銭的にも、家族関係的にも、一番リスクが高いんです。

  • 「特定空き家」に指定されれば、固定資産税が跳ね上がる。
  • 2024年からは「相続登記」が義務化され、放置すると過料の対象にも。
  • 家族が元気で、冷静に話し合える「今」を逃すと、将来さらに問題が複雑になる可能性も。

私たち子育て世代が、子供たちの将来のためにNISAや節約でコツコツ資産を守ろうとしているのと同じで、親から受け継いだ大切な資産(実家)を、無駄な税金や老朽化で目減りさせてしまうのは、本当にもったいないですよね。

「売る」と決めるのは、その後でも構いません。
まずは、「わが家の実家の、今の価値はいくら?」と、客観的な数字を把握することから始めませんか?

それが、家族で話し合うための「共通の地図」になります。
その第一歩として、「HOME4U」のような一括査定サイトで、信頼できる専門家(不動産会社)に今の相場を聞いてみる。

「今、動くこと」。
それが、家族間の無用なトラブルを防ぎ、親が残してくれた大切な資産を「負債」ではなく「資産」として活かす、最善の相続対策なんだと私は思います。

-家計と資産作り