家計と資産作り

住宅ローンが残っていてもOK!離婚後に家を売るための完全ガイド|共有名義や財産分与はどうする?

こんにちは、2人の男の子ママ、しずくです。

人生には色々な節目がありますが、「離婚」というのは、その中でも特に大きな決断の一つですよね。精神的にも体力的にも大変な中で、子どものこと、これからの生活のこと、そして…「住んでいる家をどうするか」という、すごく大きくて重たい問題に直面します。

特に、家は「家族の思い出が詰まった場所」であると同時に、「一番大きな資産(あるいは負債)」でもあります。

感情的になって「もう顔も見たくないから、家なんてどうでもいい!」と思ってしまったり、逆に「子どもたちのために、この家だけは手放したくない」と強く願ったり…。気持ちが揺れ動くのは、すごくよく分かります。

でも、私も最近NISAや節約など「お金」の勉強を始めて強く感じるのですが、こういう大事な局面こそ、一度「感情」を横に置いて、「お金」や「現実的な手続き」として冷静に整理することが、自分と子どもたちの未来を守るために絶対に必要なんです。

「この家、今売るとしたらいくらになるんだろう?」
「住宅ローン、まだこんなに残ってるけど…どうなるの?」

こうした現実的な数字を知ることが、冷静な話し合いの第一歩であり、次の生活に進むための「土台」になります。

この記事では、離婚というナイーブな問題を抱えながらも、「家」という大きな資産とどう向き合っていくべきか、後悔しないために知っておきたいお金や手続きのリアルなポイントを、一緒に整理していきたいと思います。

離婚と家の問題は“感情”より“お金”から考える

離婚を決意したり、考え始めたりすると、本当にたくさんのことを同時に処理しなくてはいけませんよね。子どもの学校のこと、保育園のこと、これからの仕事のこと、住む場所のこと…。頭がパンクしそうになる気持ち、私も想像できます。

その中でも、特に「持ち家」の問題は、金額が大きいだけに、夫婦間の話し合いでも一番揉めやすいポイントかもしれません。でも、だからこそ、一番先に「冷静に」なって考え始めないといけない部分なんです。なぜなら、ここを感情的に処理してしまうと、将来のあなたの生活設計に、大きな影響を与えてしまう可能性があるからです。

「思い出の家」と「資産としての家」は別問題

「子どもたちが生まれ育った家だから…」
「ここで家族みんなで笑いあった思い出があるから…」

家を手放すことを考えたとき、真っ先に浮かぶのは、そうした温かい「思い出」かもしれません。その気持ちは、何物にも代えがたい大切なものです。

でも、離婚に際して「家をどうするか」を決めるときは、その「思い出の価値」と、「経済的な価値(資産価値)」を、一度しっかり切り離して考える必要があります。

どんなに思い出が詰まっていても、離婚後の新しい生活をスタートさせるためには、現実的に「お金」の問題をクリアにしなくてはいけません。「この家がいくらで売れるのか?」「住宅ローンはいくら残っているのか?」「売却した場合、手元にいくら残るのか(あるいは、マイナスになるのか?)」…。こうしたシビアな数字と向き合うことが、実はすごく大切なんです。

思い出は心の中に大切にしまって、まずは目の前にある「家」を「資産」として、冷静に評価することから始めましょう。

離婚時の財産分与で家はどう扱われる?

離婚の際に「財産分与」という言葉を聞いたことがあると思います。これは、結婚している間に夫婦で協力して築いた財産(共有財産)を、離婚時に分け合うことです。

もちろん、この「家」も財産分与の対象になることがほとんどです。

原則としては、名義がどちらにあるかに関わらず、結婚後に購入した家であれば、その価値(売却価格からローン残債を引いた額など)を2分の1ずつで分けるのが基本です。

ただ、現実はそう単純ではありません。

  • 家の購入資金の一部に、どちらかの親からの援助(贈与)が入っている
  • どちらかが独身時代に貯めたお金(特有財産)を頭金にしている
  • そもそも、売却価格より住宅ローンの残債が多い(オーバーローン)

こうしたケースでは、計算が非常に複雑になります。

一番スッキリするのは、家を売却して現金化し、そのお金(または残った負債)をルールに則って分ける「換価分割」という方法です。しかし、どちらかが住み続けたい場合や、子どもの学区を変えたくない場合など、様々な事情がありますよね。

いずれにせよ、「どう分けるか」を話し合う大前提として、「今、この家にはいくらの価値があるのか?」を知らないことには、一歩も前に進めないのです。

まずは「資産価値」を冷静に知ることが第一歩

夫婦間で「家を売りたい」「住み続けたい」「財産分与はどうする」と話し合いをしようにも、その家の「現在の価値」が分からなければ、すべてが机上の空論になってしまいます。

例えば、夫が「この家は3,000万円の価値があるから、住み続けるなら半分の1,500万円をくれ」と言ってきたとして、その「3,000万円」という数字に根拠がなかったらどうでしょう? もしかしたら、今の相場では2,500万円の価値しかないかもしれません。

逆に、あなたが「もういらないからタダであげる」と言った家が、実はローンを引いてもプラス500万円の価値があったとしたら…?

そう、まずは「現実的な売却想定価格」=「資産価値」を、感情抜きで知ることが、すべてのスタートラインなんです。

とはいえ、いきなり近所の不動産屋さんに「離婚で家を売ろうと思って…」と相談に行くのは、精神的にもハードルが高いですよね。

だからこそ、まずはネットで複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる「SUUMOの売却査定」のようなサービスが役立ちます。匿名ではありませんが、家にいながら、複数の会社の査定額を比較できるので、「この家のおおよその相場」を冷静に把握することができます。

この「客観的な数字」を手に入れることこそが、感情的になりがちな離婚の話し合いを、現実的に進めるための第一歩になるはずです。

住宅ローンが残っている家は売れる?

家の「資産価値」を知ることが第一歩、とお伝えしましたが、ここで多くのママさんが一番不安に思うのが、「住宅ローン」の存在ではないでしょうか。

「まだローンがたくさん残ってるけど、そもそも家って売れるの?」
「売ったお金でローンを返せなかったら、どうなっちゃうの?」

…そう考えると、前に進むのが怖くなってしまいますよね。私もNISAやお金の勉強を始めてから、ローンの「負債」としての一面をより強く意識するようになりました。でも、大丈夫。住宅ローンが残っていても家を売ることは可能です。ここでは、その仕組みと注意点をしっかり見ていきましょう。

ローン残債と売却価格の関係

「マイホームを買う」って、人生の一大決心ですよね。私も家を買うときは、「これから家族で頑張って返していくぞ!」と思ったものです。でも、離婚となると、その「夫婦で返すはずだったローン」が、一気に重くのしかかってきます。

まず知っておきたいのは、「家を売る」ことと「ローンを完済する」ことはセットだということです。

基本的に、住宅ローンが残っている家には「抵当権(ていとうけん)」というものが設定されています。これは、もしローンの返済が滞ったら、金融機関(銀行など)がその家を差し押さえて競売(けいばい)にかけることができる権利のこと。

家を売却する際は、この抵当T権を抹消(まっしょう)しなければなりません。そして、抵当権を抹消するための絶対条件が、「住宅ローンを全額返済(完済)すること」なのです。

つまり、

「家の売却代金 ≧(以上) ローン残債」

であれば、売ったお金でローンをすべて返し、抵当権を抹消して、無事に家を買い主に引き渡すことができます。もし売却代金がローン残債を上回れば(これを「アンダーローン」と言います)、残ったお金は財産分与の対象として夫婦で分けることができます。これが一番スムーズな形ですね。

「オーバーローン」の場合の選択肢(任意売却など)

問題は、計算してみたら「家の売却代金 <(未満) ローン残債」だった場合。つまり、家を売ってもローンを返しきれない「オーバーローン」の状態です。

「え、じゃあもう売れないの?どうしよう…」とパニックになってしまいそうですよね。特に、家を買ってからまだ日が浅い場合や、郊外の物件などで購入時より相場が下がっている場合などは、このケースに陥りやすいと言われています。

でも、諦めるのはまだ早いです。オーバーローンの場合でも、家を売る方法はあります。

選択肢 概要 メリット デメリット・注意点
① 自己資金で補う 売却価格で返済しきれないローンの差額を、夫婦の貯金などで一括で支払う。 通常の売却と同じ流れで進められる。信用情報にも傷がつかない。 離婚時にまとまった現金を用意するのが難しい場合も多い。
② 任意売却 金融機関に「ローンを全額返せませんが、売却を許可してください」と交渉し、合意を得て売却する方法。 競売よりも高い価格(市場価格に近い額)で売れる可能性が高い。周囲に事情を知られにくい。 ・金融機関との交渉が必要。
・信用情報に影響が出る可能性あり(いわゆるブラックリスト)。
・残ったローンの返済方法は別途交渉が必要。

SUUMO査定で“現実的な売却価格”を把握する意味

「うちはアンダーローンなの?それともオーバーローンなの?」
「もしオーバーローンだとしたら、一体いくら足りないの?」

…結局、ここが分からないと、次にどう動けばいいか、どの選択肢(自己資金で補うのか、任意売却を検討するのか)に進むべきか、全く決められませんよね。

だからこそ、H2-1でお話しした「査定」が、ここで決定的に重要になってくるんです。

金融機関に「任意売却の相談を…」と重い腰を上げる前に、まずは「今、いくらで売れそうか」という現実的なラインを知る必要があります。この「売却想定価格」と、銀行から送られてくる「ローン残高証明書」などの数字を見比べることで、初めて自分たちの状況が客観的に把握できます。

このとき、1社だけの査定額を鵜呑みにするのは危険です。なぜなら、不動産会社によって査定額には幅があるからです。特に離婚が絡むと、「とにかく高く売りたい」という気持ちが先行しがちですが、現実的でない高い査定額を信じて売りに出しても、結局売れずに時間だけが過ぎてしまう…なんてことも。

SUUMOのような一括査定サイトを使って複数の会社から査定を取り寄せ、「だいたいこのくらいの金額が相場なんだな」という冷静な目線を持つことが、オーバーローンかどうかの判断を正確にし、次の正しい一手を打つためのカギになります。

まずは自分たちの「現在地」を知るために、複数の視点から査定を活用しましょう。

共有名義の家を売るにはどうすればいい?

「ローンが残っていても売れる可能性はあるんだ…」と少しホッとしたところで、次に出てくるのが「名義」の問題です。特に、家を「夫婦の共有名義」で購入しているケースは少なくありません。

「家の名義が夫と私、半分ずつになってるけど、どうやって売るの?」
「もし、相手が『売りたくない』って言ったら…?」

離婚の話し合いがこじれていると、この「名義」の問題が大きな壁になってしまうことがあります。お金の計算と同じくらい、手続きのルールを知っておくことが、自分を守る盾になります。離婚時の共有名義不動産をどう扱うか、ポイントを整理していきましょう。

夫婦共有名義の場合の注意点

家を「共有名義」で持っている場合、その家は「夫婦2人の共同所有物」ということになります。例えば、持分が「夫2分の1、妻2分の1」となっている場合ですね。

この共有名義の不動産を売却するとき、絶対に覚えておいてほしい原則があります。それは、「共有者全員の同意がなければ、不動産全体を売却することはできない」ということです。

たとえあなたの持分が半分(あるいはそれ以上)あったとしても、あなた一人の判断で家全体を売ることはできません。必ず、もう一人の共有者(この場合は夫)の「売却に同意します」という実印の押された書類(委任状など)が必要になります。

離婚の話し合いがスムーズに進んでいて、「家は売却して、お金で分けましょう」と双方が合意しているのであれば、特に大きな問題にはなりません。手続きは不動産会社がサポートしてくれます。

しかし、問題は、相手がその同意をしてくれない場合です。「思い出があるから売りたくない」「(嫌がらせなどで)絶対に同意しない」と言われてしまうと、売却の手続きが完全にストップしてしまうのです。

片方が売却に同意しない場合の対応

では、もし相手が売却に同意してくれなかったら、もう打つ手はないのでしょうか?

感情的になって「じゃあ、私の持分だけ売ってやる!」と思うかもしれませんが、不動産の「持分のみ」を買い取ってくれる人は、現実にはほとんどいません(専門の買取業者がいますが、非常に安く買い叩かれてしまうリスクが高いです)。

相手が売却に同意しない場合、現実的な選択肢は主に以下のようになります。

  1. 相手に自分の持分を買い取ってもらう
    相手が「家に住み続けたい」という意向であれば、あなたの持分を相手に買い取ってもらう(=相手があなたにお金を支払う)方法があります。ただし、相手にその支払い能力(現金や新たなローンを組む力)があるかが問題です。
  2. 自分が相手の持分を買い取る
    逆に、あなたが子どもと住み続けたい場合、相手の持分を買い取る方法もあります。この場合も、あなたが相手に持分相当額を支払う必要があります。
  3. (最終手段)共有物分割請求訴訟を起こす
    話し合いがどうしてもまとまらない場合、裁判所に「共有物をどう分けるか決めてください」と訴訟を起こす方法があります。裁判所が「売却して現金で分ける(換価分割)のが妥当」と判断すれば、相手の同意がなくても売却(競売になることが多い)を進められる可能性があります。

どの選択肢を取るにしても、交渉のテーブルにつくためには、やはり「この家の今の価値はいくらで、私たちの持分はそれぞれいくら分の価値があるのか」という客観的な数字が不可欠です。

弁護士に相談すべきケースの目安

ここまで読んで、「なんだかすごく難しそう…」「うちの夫、感情的になってて話し合いにならないかも…」と不安に思ったママさんもいるかもしれません。

もちろん、夫婦間で冷静に話し合えるのが一番です。不動産会社も、売却の手続き自体はサポートしてくれます。

しかし、以下のようなケースに当てはまる場合は、不動産会社への査定依頼と並行して、離婚問題や不動産に強い弁護士に早めに相談することをおすすめします。

  • 相手が完全に話し合いを拒否している
  • 「絶対に売らない」「ハンコは押さない」と強硬に主張している
  • 家の名義やローンの状況が複雑(親族が絡んでいるなど)
  • オーバーローンで、残った負債の分担方法で揉めている
  • 相手からDVやモラハラを受けており、直接交渉するのが怖い

弁護士は、あなたの代理人として法的に交渉を進めてくれますし、財産分与全体(預貯金や保険なども含む)をどう整理すべきか、法的なアドバイスをくれます。

お金はかかりますが、こじれにこじれて時間と精神力をすり減らし、結果的に不利な条件を飲まされてしまうよりは、よほど「未来への投資」になると私は思います。まずは法テラスや自治体の無料相談などを利用してみるのも一つの手ですね。

離婚後に“損しない”家の売り方

家の価値(査定額)が分かり、ローンや名義の問題も整理できたら、いよいよ「どうやって売るか」という具体的なステップに進みます。

離婚という状況では、「とにかく早くスッキリしたい」「もう相手と関わりたくない」という気持ちが先走ってしまい、売却活動を焦って進めてしまいがちです。その気持ち、痛いほど分かります…。

でも、家は数千万円にもなる大きな「資産」です。私もお金の勉強を始めてからつくづく感じますが、ここで冷静さを欠いて「焦って売る」ことほど、“損”につながることはありません。

離婚後の新しい生活や、子どもたちの将来のためにも、大切な資産を1円でも高く、そして納得して手放すための「賢い売り方」を知っておきましょう。

市場が動くタイミングを見極める

「早く売りたい」という気持ちとは裏腹に、不動産には「売れやすい時期」と「売れにくい時期」が確実に存在します。

一般的に、不動産市場が活発になるのは、1月〜3月と言われています。これは、4月の新年度(入学・就職・転勤)に合わせて、新しい住まいを探す人が一気に増えるからです。この時期に間に合うように売却活動をスタートできれば、多くの人の目に留まり、希望に近い価格で売れる可能性が高まります。

次いで、9月〜11月の秋口も、転勤シーズンや「年内に引っ越しを済ませたい」という需要で動きが出やすい時期です。

逆に、真夏の8月(お盆休み)や、年末年始(12月)は、買主側の動きも鈍くなるため、売却活動が長引きやすい傾向があります。

もちろん、離婚の話し合いの進捗や、新しい生活のスタート時期もあるので、一概に「この時期まで待つべき!」とは言えません。

ただ、もし「あと1ヶ月待てば、市場が一番盛り上がる時期に売り出せる」というタイミングなのであれば、焦って今売るのが本当に得策なのか、一度立ち止まって考えてみる価値はあります。急いで売却した結果、相場より100万円も安く手放すことになってしまったら…? その100万円があれば、子どもたちの習い事や、新しい生活の家具に充てられたかもしれません。

焦る気持ちをぐっとこらえ、冷静に市場のタイミングを見極める視点も大切です。

査定は複数社で比較する(SUUMO活用術)

「じゃあ、どの不動産会社に頼めばいいの?」という問題。これも、絶対に焦ってはいけないポイントです。

「一番最初に来てくれた不動産屋さんが、なんだか親身だったから…」
「大手だから安心かな、と思って1社に決めてしまった…」

これは、売却で損をしてしまう典型的なパターンです。

なぜなら、不動産会社によって「査定額」も「売却戦略」も全く違うからです。

  • A社:相場通りの「3,000万円」で査定。堅実に売る戦略。
  • B社:とにかく契約が欲しいから、高めの「3,300万円」で査定。でも、結局売れずに値下げ交渉されるかも…。
  • C社:「2,800万円」と安めの査定。でも、自社の顧客にすぐ売れる見込みがある(早く現金化できる)かも。

もしA社にしか相談していなかったら? もしB社の高い査定額だけを信じてしまったら?

ここで役立つのが、やはり「SUUMO」のような一括査定サイトです。家にいながら、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼できます。

離婚というデリケートな時期に、何社もの不動産屋さんに電話をかけたり、一軒ずつ訪問したりするのは、精神的にも本当に大変です。SUUMOを使えば、その手間を最小限にしつつ、複数の査定額を「比較検討」することができます。

「A社とC社では、こんなに査定額が違うんだな」
「B社は高いけど、その根拠はなんだろう?」

このように、複数の「目」で自分の家を評価してもらうことで、初めて「我が家の適正な相場」が見えてきます。1社だけの言いなりにならず、客観的な判断材料を持つことが、損をしないための最大の防御策になります。

営業担当者との相性も重要

査定額や会社の規模(大手か、地元密着か)はもちろん大切ですが、離婚時の売却では、もう一つ見落としてはいけない点があります。

それは、「営業担当者との相性」です。

ただでさえ精神的にナイーブな時期に、高圧的な担当者や、逆に頼りない担当者と、売却が終わるまでの数ヶ月間、ずっとやり取りを続けるのは、想像以上のストレスになります。

特に離婚が絡む売却は、通常の売却とは違った配慮が必要です。

  • 夫婦間の連絡をどうするか(別々に連絡をくれるか)
  • 家の内覧(見学)のスケジュール調整
  • 財産分与やローンに関する法的な手続きの連携

こうしたデリケートな事情をきちんと理解し、「この人になら任せられる」と信頼できる担当者を見つけることが、売却成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。

SUUMOの一括査定を利用するメリットは、複数の会社と「接点」が持てることにもあります。査定額の提示を受ける際や、その後の電話・メールでのやり取りの中で、「この人は信頼できそうか」「こちらの事情を汲んでくれそうか」を、しっかり見極めましょう。

金額だけでなく、「人」で選ぶ。これが、後悔しない不動産売却の最後の決め手になるはずです。

売却後のお金と生活設計をどう考えるか

ここまで、離婚時に家を売るための現実的な手続きや注意点について、一緒に見てきました。無事に家を売却できたとして、そこで「ああ、やっと終わった…」と安心するのは、まだ少し早いかもしれません。

なぜなら、本当に大切なのは「これから」だからです。

家を売って手にしたお金(あるいは、残ってしまった負債)とどう向き合い、子どもたちとの新しい生活をどう設計していくか。ここをしっかり考えておくことこそが、本当の意味での「再スタート」につながります。私も今、NISAや保険の見直しなど「お金」の勉強をしているからこそ、この「出口戦略」が一番大事だと痛感しています。

売却益・ローン残債・引っ越し費用の整理

家が売れたら、まず「お金の出入り」を徹底的にクリアにしましょう。感情的にならず、家計簿をつけるような感覚で、冷静に書き出してみるのがおすすめです。

【入ってくるお金(プラス)】

  • 家の売却代金

【出ていくお金(マイナス)】

  • 住宅ローンの残債(一括返済分)
  • 不動産会社への仲介手数料(売却価格の3%+6万円+消費税が上限のことが多い)
  • 印紙税、登記費用など(売却手続きにかかる諸経費)
  • 引っ越し費用(自分と子どもたちの分)
  • 新しい家の契約費用(敷金・礼金・家賃など)
  • (オーバーローンの場合)金融機関に返済する不足金

売却代金から、これらすべてを差し引いて、最終的に手元にいくら残るのか。あるいは、いくら持ち出す必要があるのか。この「最終的な数字」を確定させることが、次のステップに進むための大前提です。

特に見落としがちなのが「仲介手数料」や「引っ越し費用」です。家の売却代金がそのまま手元に残るわけでは決してない、ということを肝に銘じておきましょう。

新しい生活を始めるための資金計画

最終的な手残りが分かったら、次は「これからの生活」のシミュレーションです。

離婚してシングルマザーとして生活を始める場合、おそらく今とは家計の状況がガラッと変わりますよね。

  • 毎月の収入(自分の給料、養育費、児童扶養手当など)
  • 毎月の支出(新しい家の家賃、食費、光熱費、子どもの教育費、保険料、貯蓄…)

これらを現実的に書き出して、毎月いくらで生活していくのか、家を売って得たお金は「いざという時のための貯蓄」に回せるのか、それとも「当面の生活費」として使っていく必要があるのか、計画を立てる必要があります。

私も今、子どもの教育費や老後のためにNISAでの積立投資を研究していますが、こういった「守り」や「攻め」の資産運用を考えるためにも、まずは「土台となる生活費」が安定していることが不可欠です。

家を売って一時的にまとまったお金が入ったとしても、それを新しい生活の「何」に使うのか。生活防衛資金なのか、子どもの学費なのか、はたまた自分のスキルアップ(仕事のための勉強代)なのか。目的を明確にしておくことが、大切なお金を浪費しないための一番のブレーキになります。

しずくさんのメッセージ「家を手放す=人生をリセットするチャンス」

ここまで、離婚と家の売却について、かなり現実的で、時にはシビアな話もしてきました。「なんだか、考えることが多すぎて大変…」と感じたかもしれません。

確かに、家を売るという決断は重たいです。思い出の詰まった場所を手放すのは、寂しい気持ちにもなります。

でも、私はこうも思うんです。
「家を手放す」ことは、決して「失う」だけじゃない。「過去のしがらみ」や「重たいローン」から解放されて、人生をリセットし、新しい一歩を踏み出すための、最大のチャンスなんじゃないか、と。

古い家(=過去の生活)にしがみつくことで、精神的にも経済的にも前に進めなくなってしまうとしたら、それはあなたにとっても、子どもたちにとっても、幸せなことではないかもしれません。

家という「モノ」ではなく、これからあなたと子どもたちが築いていく「未来の時間」に目を向ける。そのために、過去を清算して、身軽になる。

離婚時の家の売却は、そのための「手続き」の一つです。

だから、どうか感情的にならず、損得勘定だけでもなく、「自分と子どもたちの未来のために、今何がベストか」という視点で、冷静に、でも前向きに、この大きな問題に取り組んでいってほしいなと思います。

まとめ|「家を売る」は“再スタート”のための選択肢

ここまで、離婚に際して「家」という大きな問題とどう向き合うか、お金のこと、ローンのこと、名義のこと、そして売却後の生活設計まで、具体的なステップを見てきました。

離婚というだけでも心身ともに大きなエネルギーを使う中で、家のことまで考えるのは本当に大変なことだと思います。不安や焦りで、頭が真っ白になってしまうこともあるかもしれません。

でも、この記事でお伝えしてきたことを、一つずつでもいいので、冷静に、順番にクリアしていけば、必ず「あなたと子どもたちにとっての最善の道」が見えてくるはずです。

感情に流されず、正しい手順で行動を

一番大切なことを、最後にもう一度。

離婚時の家の問題で後悔しないために一番重要なのは、「感情に流されないこと」です。

「思い出があるから売りたくない」
「夫が憎いから、とにかく早く手放したい」

どちらの感情も、すごく人間らしい自然なものです。でも、その感情を優先して判断を誤ると、数年後、数十年後に「あの時、もっと冷静に計算しておけば…」と、経済的な面で苦労することになりかねません。

家は「思い出の場所」であると同時に、あなたの「資産」です。

その資産価値を冷静に把握し(①査定)、ローンがどうなるかを確認し(②オーバーローン問題)、名義人が誰かを確認し(③共有名義問題)、どうすれば損せずに売れるか(④売却戦略)を考える。

この「正しい手順」を一つずつ踏んでいくことが、感情の波に飲み込まれず、あなたの未来を守る一番の防波堤になります。

まずは“相場を知る”ことから(SUUMO査定導線)

「何から手をつけていいか分からない…」
もし今、あなたがそう思っているなら、まずやるべきことはたった一つです。

それは、「この家が、今いくらで売れるのか?」という相場を知ること。

この「客観的な数字」がなければ、財産分与の話し合いも、ローンを返せるかの計算も、新しい生活の設計も、何もかも始まりません。

とはいえ、離婚を考えている中で、いきなり近所の不動産屋さんに一人で飛び込むのはハードルが高いですよね。「何か勘ぐられるんじゃないか…」と不安になる気持ちも分かります。

だからこそ、まずは「SUUMOの売却査定」のようなネットの一括査定サービスを活用するのが、賢い第一歩だと私は思います。

家にいながら、複数の不動産会社に査定を依頼でき、あなたの家の「現実的な価値」を知ることができます。もちろん、査定したからといって、すぐに売らなければいけないわけでは全くありません。

まずは「知る」こと。
それが、離婚という大きな決断を前に、冷静さを取り戻し、次の人生へと踏み出すための「お守り」になってくれるはずです。

あなたと子どもたちの新しいスタートが、より良いものになることを心から願っています。

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