「ニュースで『日銀が利上げ』って聞くたびに、心臓がギュッとなる……」
夕飯の支度をしながらテレビから流れてくる金利の話題に、思わず包丁の手を止めてしまった経験、ありませんか?
4歳と7歳のやんちゃ盛りの息子たちを育てながら、毎日ワンオペ育児と仕事でヘトヘトな私。正直、日々のやりくりだけで精一杯で、「これ以上毎月の出費が増えたら、子供の教育費どころか今日の食費も削らないといけないの!?」とパニックになりそうでした。
数年前、家を建てるときに「今は変動金利の方が断然お得ですよ!」という銀行員さんの言葉を鵜呑みにして、よく分からないまま契約書にハンコを押した私。今さら金利の仕組みなんてチンプンカンプンだし、計算するのが怖くてずっと見て見ぬふりをしてきました。しまいには、不安のあまり夫に「どうするのよ!」と八つ当たりしてしまい、険悪なムードになる始末……。
でも、このままじゃいけない。専門家の難しい予測に振り回されて毎日ビクビクするより、まずは「我が家の場合、いつ・いくら上がるのか」「いくらまでなら耐えられるのか」を知ろう。そう決心して、重い腰を上げてホコリを被った契約書を引っ張り出しました。
この記事では、「知識ゼロのまま変動金利を選んで後悔しかけた私」が、実際にやってみた「金利が上がっても我が家が生き残るための計算」と、無理なくできる家計防衛策を整理してお伝えします。
「変動金利を選んだのが悪かったのかな……」なんて自分を責める必要はありません。過去の選択を悔やむのではなく、今日からできる「がんばらずにちゃんと暮らす」ための準備を、一緒に少しずつ始めてみませんか?
住宅ローンの変動金利は今後上がる可能性がある
まずは結論からお伝えしますね。日銀の利上げ方針などもあり、今後、住宅ローンの変動金利が上がる可能性は十分にあります。ただ、だからといって「すぐに家計が破綻する!」と焦る必要はありません。
利上げのニュースが出たばかりの頃、私は不安でたまらず、夜な夜なスマホで「住宅ローン 変動金利 今後」と検索しては絶望していました。「来年には2%に跳ね上がる!」と煽るような記事を見つけては眠れなくなり、「いや、当分上がらない」という記事を見つけては少しホッとする……の繰り返し。でも、よくよく調べてみると、金利の仕組みはそんなに単純なものではなかったんです。
変動金利は日銀の政策金利の影響を受ける
そもそも、なぜ日銀のニュースが私たちの住宅ローンに関係するのでしょうか。
住宅ローンの「変動金利」は、一般的に銀行が企業にお金を貸し出すときの金利(短期プライムレート)を基準にして決まります。そして、この短期プライムレートは、日本銀行(日銀)が決める「政策金利」に大きく影響を受けます。
つまり、「日銀が政策金利を引き上げる(利上げする)=銀行の基準となる金利が上がる=私たちの住宅ローンの変動金利も上がる可能性が高まる」というドミノ倒しのような仕組みになっているんです。私が家を買った数年前は、ずーっと低金利の時代だったので、この「ドミノが倒れるかもしれない」という現実をすっかり忘れていました。
日銀が利上げしても住宅ローン金利が同じ幅だけ上がるとは限らない
「じゃあ、日銀が0.25%利上げしたら、うちのローンも明日から0.25%上がるの!?」と、当時の私は青ざめました。でも、これも違うんです。
実は、日銀が利上げをしたからといって、すべての銀行の住宅ローン金利がまったく同じ幅だけ、同じタイミングで自動的に上がるわけではありません。銀行ごとの経営判断や、住宅ローン商品の種類(ネット銀行かメガバンクかなど)、あるいは新規で借りる人向けなのか、すでに借りている私たちのような人向けなのかによって、金利の引き上げ幅や時期はバラバラなんです。
「ニュースの数字=そのままうちのローンの数字」ではないと知って、私は少しだけ冷静さを取り戻すことができました。
今後の金利を正確に予測することはできない
毎晩スマホで検索魔になっていた私が出した結論は、「プロの専門家でさえ、未来の金利を正確に当てることはできない」ということでした。
ある経済アナリストは「急激に上がる」と言い、別の専門家は「日本経済の状況を考えると大幅な利上げは難しい」と言っています。
予測がバラバラなものに一喜一憂して、目の前で子供が話しかけているのに上の空……なんて、なんだかすごくもったいない時間ですよね。予測不能な未来の数字を当てようとするのはやめて、「もし上がったとしても、我が家が困らないようにするにはどうするか」を考える方が、よっぽど心がラクになると気づいたんです。
日銀が利上げすると住宅ローンはいつ上がる?
金利が上がるかもしれないと分かった次に夫から聞かれたのが、「で、うちのローンはいつからいくら上がるの?」という言葉でした。
「え……? わ、わからない……」と絶句した私。ニュースで「〇月から利上げ」と言っていても、それがそのまま我が家の引き落とし額に直結するわけではなかったんです。慌てて押し入れの奥から、分厚いファイルに入った住宅ローンの契約書を引っ張り出しました。
住宅ローンの金利見直し時期は銀行・契約によって異なる
一般的に、変動金利の金利が見直されるタイミングは「年に2回(4月と10月など)」が多いと言われています。ですが、見直された金利が実際に毎月の返済額に反映される(引き落とし額が変わる)タイミングは、銀行や契約内容によって全然違います。
たとえば、「金利は見直されても、5年間は返済額が変わらない(5年ルール)」という契約もあれば、「金利が上がったら、翌月からすぐに返済額が増える」というネット銀行などの契約もあります。
私は「みんな一緒でしょ」と思い込んでいたのですが、自分がどんなルールで契約したのかを知らない限り、「いつ上がるのか」は誰にも答えられないんです。
「基準金利」と「適用金利」の違いを確認する
契約書や銀行のマイページを見ながら、もう一つ私がつまずいたのが「基準金利」と「適用金利」という言葉でした。
・基準金利:銀行が設定する定価のようなもの
・引き下げ幅(優遇幅):キャンペーンなどで「〇%割引しますよ」という値引き分
・適用金利:私たちが実際に支払っている、値引き後の最終的な金利(基準金利 - 引き下げ幅)
日銀の利上げで直接影響を受けるのは「基準金利」の方です。銀行から「基準金利を引き上げます」というお知らせが来ても、自分が実際に払っている「適用金利」がどうなるのかをしっかり確認する必要があります。最初から「適用金利」だけを見て焦っていた私は、この仕組みを知って「だから契約書やマイページを見なきゃダメなんだ」と反省しました。
まず確認したい住宅ローン契約の3項目
「契約書なんて難しくて見る気も起きない……」という気持ち、痛いほどわかります。私もそうでした。でも、すべてを読み込む必要はありません。家計防衛のために、まずはマイページや契約書で以下の3つだけを探してみてください。
- 現在の「適用金利」(いま何%で借りているか)
- 金利の「見直しルール」(いつ見直されるのか、5年ルールはあるか)
- 現在の「ローン残高」と「残りの返済期間」
この3つさえメモできれば、大きな第一歩です。当時の私は、自分が何%で借りているのかすら怪しかったので、マイページにログインして数字を確認しただけで「よし、これで戦えるぞ!」と変な自信が湧いてきました。見えないお化けに怯えるより、敵の正体(数字)を知るのが一番の安心材料になります。
金利が0.25%・0.5%・1%上がると返済額はいくら増える?
自分の今の金利と残高を確認できたら、いよいよ一番怖い「で、いくら増えるの?」に向き合います。
当時の私は、「月3万とか5万とか一気に増えたらどうしよう……息子のスイミング辞めさせる? いやいや、まずは食費?」と、まだ起きてもいない未来に怯えて一人でパニックになっていました。
でも、見えないものに怯えるのはもうやめよう!と決心し、ネットのシミュレーションツールに我が家の数字を打ち込んでみたんです。
ここでは、多くのご家庭の目安になるように「残りの返済期間が25年、今の金利が0.4%(元利均等返済・ボーナス払いなし)」という条件で、金利が上がった場合の返済額を計算してみました。ご自身の借入残高に近いところを見てみてくださいね。
借入3,000万円の場合
まずは、残高が3,000万円の場合です。
| 金利上昇幅 | 金利 | 毎月の返済額(目安) | 月の負担増 | 年間の負担増 |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | 0.4% | 約105,100円 | - | - |
| +0.25% | 0.65% | 約108,400円 | 約+3,300円 | 約+39,600円 |
| +0.5% | 0.9% | 約111,800円 | 約+6,700円 | 約+80,400円 |
| +1.0% | 1.4% | 約118,600円 | 約+13,500円 | 約+162,000円 |
借入4,000万円の場合
続いて、我が家も当てはまっていた4,000万円前後の場合です。計算ボタンを押す手が少し震えました(苦笑)。
| 金利上昇幅 | 金利 | 毎月の返済額(目安) | 月の負担増 | 年間の負担増 |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | 0.4% | 約140,100円 | - | - |
| +0.25% | 0.65% | 約144,500円 | 約+4,400円 | 約+52,800円 |
| +0.5% | 0.9% | 約149,000円 | 約+8,900円 | 約+106,800円 |
| +1.0% | 1.4% | 約158,100円 | 約+18,000円 | 約+216,000円 |
借入5,000万円の場合
最後に、残高が5,000万円の場合です。
| 金利上昇幅 | 金利 | 毎月の返済額(目安) | 月の負担増 | 年間の負担増 |
|---|---|---|---|---|
| 現在 | 0.4% | 約175,100円 | - | - |
| +0.25% | 0.65% | 約180,600円 | 約+5,500円 | 約+66,000円 |
| +0.5% | 0.9% | 約186,300円 | 約+11,200円 | 約+134,400円 |
| +1.0% | 1.4% | 約197,700円 | 約+22,600円 | 約+271,200円 |
※上記はあくまで概算です。実際の返済額は契約内容や残期間により異なります。
数字を見て、どう感じましたか?
私は正直、「あ……なんだ。0.25%や0.5%の上がり方なら、月5,000円〜1万円くらいのアップで済むのか」と、少しホッとして肩の力が抜けました。
もちろん負担が増えるのは痛いですが、「月数万円増えるかも!」という実体のない恐怖に比べたら、「月5,000円なら、私がダラダラ契約していたサブスクを解約して、休日の外食を1回自炊に変えればカバーできる!」と、具体的な対策が考えられるようになったんです。
5年ルールがあれば返済額はすぐ増えない?
シミュレーションをして少し安心した直後、ふと思い出したのが「5年ルール」という言葉でした。「そういえば、うちは5年ルールがあるって昔銀行の人が言ってた気がする。じゃあ金利が上がっても5年間は毎月の支払い額は変わらないんだから、当分は余裕だよね〜!」と、かつての私はすっかり油断してしまったんです。
でも、これこそが一番の落とし穴でした。
5年ルールは「金利が上がらない制度」ではない
そもそも「5年ルール」とは、金利が変動しても「5年間は毎月の返済額(引き落とし額)を変更しない」という制度です。(同時に、返済額が増える場合も前回の1.25倍までしか上がらないという「125%ルール」がセットになっていることが多いです)。
ここで絶対にお伝えしたいのは、5年ルールは決して「5年間、金利が上がらない(固定される)魔法の制度」ではない、ということ。
金利自体は、世の中の動きに合わせて半年ごとに容赦なく見直されています。ただ、私たちのお財布から毎月出ていく「見た目の金額」だけが変わらないように、銀行側でフタをしてくれているだけなんです。
返済額が同じでも利息の割合が増える
「でも、払う金額が変わらないならいいじゃん」と思いますよね? 私もそう思っていました。でも、その「変わらない返済額」の内訳(中身)がガラッと変わってしまうんです。
毎月の返済額は、「元本(借りたお金の返済分)」と「利息(銀行に払う手数料のようなもの)」の合計でできています。
もし5年ルールの期間中に金利が上がると、毎月の引き落とし額は同じでも、その中で「利息」として取られる分がドカンと増えます。その結果、本来減っていくはずだった「元本」の返済分が圧迫されてしまうんです。
元本が減りにくくなる点に注意
「元本が減らない」って、すごく怖いことなんですよ。
私は当時、銀行のマイページで「元本の減り具合」のシミュレーションを見て血の気が引きました。「えっ、毎月ちゃんと十数万円払っているのに、利息ばっかり取られて全然借金が減ってないじゃん!」と。
極端に金利が上がり続けると、毎月の返済額すべてが利息に消えてしまい、それでも足りない利息が「未払利息」として借金に上乗せされていく……なんていう最悪のケースも起こり得ます。
「金額が変わらないから安心」と放置せず、中身(利息の割合)がどうなっているのかを意識しておくことが大切だと、痛いほど学びました。
ちなみに、最近増えているネット銀行などでは、この「5年ルール・125%ルール」がそもそも適用されない(金利が上がれば翌月からすぐ返済額に増額として反映される)住宅ローンも多くあります。我が家の場合はどうなのか、契約内容を必ずチェックしてみてくださいね。
金利上昇で一番重要なのは「何%まで耐えられるか」
「5年ルールがあっても元本が減らなくなるなんて怖い!」と知って、再び心拍数が上がりそうになった私。
でも、ここで考え方をガラッと変えることにしました。世の中の金利予測に振り回されるのをやめて、「で、我が家はいくらまでなら耐えられるの?」というボーダーライン(耐久力)をハッキリさせることにしたんです。
金利予測より家計の耐久力を確認する
毎日スマホでニュースを見て「この専門家は来年までに1%上がるって言ってる! どうしよう!」と怯えていた頃は、本当に心が休まりませんでした。
でも、よく考えたら日銀の偉い人が決めることを、一介の主婦である私がコントロールできるわけがありません。コントロールできない未来の数字に一喜一憂するより、私が今すぐコントロールできる「我が家のお財布の現状」を見つめ直す方が、よっぽど精神衛生上よかったんです。
「金利が〇%になるか」ではなく、「もし〇%上がったとして、我が家は破綻せずに笑って暮らしていけるか?」。この視点を持てたことで、見えない恐怖がスッと引いていくのを感じました。
金利+0.5%・+1%で家計を試算する
そこで、先ほどの表を使いながら「もし金利が+0.5%(月約1万円アップ)、+1.0%(月約2万円アップ)になったら、今の生活費のどこからそのお金を捻出するか?」を具体的に考えてみました。
月1万円なら、週末になんとなく頼んでいたウーバーイーツを1回やめて、惰性で契約していた動画のサブスクを解約すればギリギリ捻出できそう。
でも、月2万円アップとなると……ちょっと痛い。「今のままの生活スタイルじゃキツいな、ボーナスから補填しないといけなくなるかも」というリアルな危機感が見えてきました。
「月2万までは工夫で耐えられる。でも3万を超えたら生活水準を落とさないとヤバい」という自分なりのボーダーラインが分かると、「まだそこまでは上がらないだろうから大丈夫」と、根拠のある安心感を得られるようになりました。
教育費・老後資金まで含めて考える
ここで絶対に忘れてはいけないのが、これからどんどん増えていく出費のことです。
我が家には4歳と7歳のやんちゃ盛りの息子がいます。今はまだマクドナルドのハッピーセットで喜んでくれていますが、これから中学生、高校生になって「毎日お肉ガッツリ!」になり、塾代や大学の学費がかかるようになります。
住宅ローンは、あくまで人生の三大支出(住居・教育・老後)のひとつ。ローン返済額のアップにはギリギリ耐えられたとしても、一番お金がかかる時期の「教育費」と重なったときに家計が回らなくなってしまったら本末転倒です。
「今の家計」だけでなく、「5年後、10年後の子供の年齢」もセットで考えて、「それでもこの返済額で耐えられるか?」を冷静にシミュレーションしておくことが、何よりの家計防衛だと痛感しました。
変動金利が不安になったら取れる5つの対策
「じゃあ、具体的に今から何をすればいいの?」と思いますよね。
「やらなきゃ……」と頭で分かっていても、毎日のワンオペ育児と仕事でクタクタだと、面倒なことは後回しにしたくなるもの。わかります、私も本当にそうでしたから。
ここでは、不安で押しつぶされそうだった私が、実際にひとつずつ行動に移して「これならいける」と思えるようになった5つのステップをお伝えします。一気にやらなくて大丈夫。今日できることから始めてみてください。
①自分の金利見直し時期を確認する
まずは何よりこれです! これをしないと何も始まりません。
今日、子供が寝た後でいいので、スマホで銀行のマイページにログインするか、引き出しの奥から契約書を出してきてください。
・今の適用金利はいくらか?
・金利の見直し時期はいつか?
・「5年ルール」「125%ルール」はあるか?
この3つをスマホのメモ帳に残すだけ。これだけで「正体のわからない不安」の半分は消え去ります。私も自分が何%で借りているか数字を見た瞬間、「よし、現状は把握した!」と変な達成感がありました(笑)。
②+0.5%・+1%で返済額を試算する
自分の金利と残高が分かったら、先ほどのシミュレーション表に当てはめて、「もし金利が0.5%上がったら毎月いくら増えるか」「1.0%上がったらどうか」を計算します。
月々「+5,000円」なのか「+20,000円」なのか。その数字を見つめながら、「この金額なら、今の家計のどこを削ればカバーできるかな?」と具体的に想像してみてください。
③家計の固定費を確認する
返済額のアップ分をどこから捻出するか。一番ラクで効果絶大なのが「固定費の見直し」です。
食費を切り詰めてスーパーを何軒もハシゴしたり、お風呂のお湯をケチったりするのは、イライラするだけで疲れてしまいますよね(過去の私がこれで大爆発しました)。
私が実践して一番効果があったのは、スマホ代と自動車保険の乗り換えでした。
スマホは格安のプラン(私はLINEMOにしました)に変えただけで、夫婦で月約1万円も浮きました。自動車保険も、面倒くさがらずに複数のネット型保険(ソニー損保やチューリッヒなど)で見積もりを取って乗り換えたら、年間数万円の節約に!
これだけで、もし金利が1%上がったとしても十分カバーできるだけの「心の余裕」が生まれました。「がんばらずに」捻出するなら、絶対に固定費からです。
④繰上返済は手元資金とのバランスを見る
「金利が上がる前に、貯金で繰上返済して借金を減らした方がいいの?」と焦る気持ちもすごく分かります。
でも、ちょっと待ってください。私も一瞬「口座にある貯金を全部突っ込もうか!」と思いましたが、踏みとどまりました。
なぜなら、現金(手元資金)がなくなる方が怖いからです。
子供が急に入院することになるかもしれないし、家電が突然壊れるかもしれない。手元にまとまった現金がないと、いざという時に教育費や生活費がショートしてしまいます。
繰上返済は、生活防衛資金(最低でも生活費の半年〜1年分)と、直近数年で確実にかかる教育費をしっかりと確保した上で、「それでも余っている余裕資金」でやるのが鉄則です。
⑤借り換え・固定金利への変更を検討する
「今の銀行より、あっちのネット銀行の方が金利が安いかも」「いっそ、金利が変わらない固定金利に変えて安心したい」
もしそう思うなら、他の銀行への「借り換え」や「固定金利への変更」を検討するのも一つの手です。
ただし、借り換えには数十万円の手数料(諸費用)がかかることが多いので、「手数料を払ってでもトータルで安くなるか」をしっかり計算する必要があります。今はネットで無料で一括比較できるサービスもあるので、とりあえず「我が家の場合、借り換えたらメリットがあるのか?」を見積もりだけ取って確認してみるのもおすすめです。行動することで、「いつでも別の選択肢が取れるんだ」という安心感につながります。
こんな状態なら早めに銀行へ相談した方がいい
ここまで、「我が家でできる家計防衛策」をお伝えしてきました。でも、シミュレーションをしてみて「うーん……いろいろ削っても、これ以上返済額が増えたら絶対赤字になる!」と青ざめてしまった方もいるかもしれません。
実は、我が家も以前、ヒヤッとした瞬間がありました。夫の会社の業績が悪くて夏のボーナスが激減したとき、住宅ローンの「ボーナス払い」の引き落としに口座の残高が足りず、慌てて私の独身時代の貯金を崩して補填したんです。「こんな綱渡り状態のときに金利まで上がったら、完全にショートする……」と背筋が凍りました。
もし、以下の4つのどれかに当てはまる場合は、ひとりで抱え込まずに、早めに借り入れ先の銀行へ相談に行くことを強くおすすめします。
住宅ローン返済後にほとんど貯蓄できない
毎月の返済と生活費を払うと、通帳に残るお金がほぼゼロ。あるいは、生活費が足りずにクレジットカードのリボ払いに手を出してしまっている状態なら、危険信号です。
ギリギリの状態で金利が少しでも上がれば、即マイナスに転落してしまいます。家計の見直しだけでどうにもならない場合は、返済期間を延ばして毎月の負担を減らせないかなど、銀行に相談してみてください。
教育費の増加と返済増が重なる
「今はギリギリ払えているから大丈夫」と思っていても、子供が中学生・高校生と上がっていくタイミングと金利上昇が重なると、一気に家計がパンクします。
私も「子供が小さいうちが貯めどき」とよく聞きますが、本当にその通りだと痛感しています。数年後に大きな教育費の波が来ることが分かっていて、なおかつ返済額が増えそうなら、手遅れになる前に対策を打つ必要があります。
ボーナス払いに頼っている
まさに我が家の過去の失敗ですが、「毎月の負担を減らしたいから」と安易にボーナス払いを多く設定していると、会社の業績や転職などでボーナスが減ったときに一気に破綻の危機を迎えます。
ボーナスは「確実にもらえるお金」ではありません。ボーナス払いが負担になっているなら、金利が上がる前に「ボーナス払いなし(毎月均等払い)」に変更できないか、銀行に掛け合ってみるのも一つの手です。
すでに返済が苦しい
「金利が上がる前から、もうすでに返済がしんどい……」という場合、恥ずかしがったり隠したりしている場合ではありません。
返済が滞ってからでは、銀行側も厳しい対応をとらざるを得なくなりますし、借り換えなどの選択肢も絶たれてしまいます。「ちょっと次の引き落としが厳しいかも」と思った時点で、銀行の窓口にSOSを出してください。一定期間だけ利息のみの支払いにしてもらえたり、返済計画を見直してくれたりと、解決策を一緒に考えてくれます。
変動金利から固定金利へ変えた方がいい?
金利のニュースを見てパニックになっていた頃、私は夫に「もうこんな毎日不安な思いをするくらいなら、高くてもいいから絶対上がらない『固定金利』に変えちゃおうよ!」と詰め寄ったことがあります。
変動の安さに目がくらんで選んだくせに、いざ上がるかもとなると固定に逃げたくなる……人間って勝手なものですよね(苦笑)。
でも、冷静になって電卓を叩いてみると、単純に「不安だから固定に変える」というのは、ちょっともったいないかもしれない、と思うようになりました。
固定金利は「将来の金利上昇を避けるための保険」と考える
現在、多くの銀行で「固定金利」は「変動金利」よりも高く設定されています(例えば変動が0.5%なら、固定は1.5%など)。
もし今から固定金利に乗り換えると、その時点で「毎月の返済額が今より数万円アップする」ことが確定してしまいます。
つまり、固定金利と変動金利の金利差は、「今後どれだけ金利が上がっても、これ以上は高くなりませんよ」という安心を買うための「保険料」なんです。
「毎月保険料(高い金利)を払ってでも、将来の不安をゼロにしたい!」と割り切れるなら、固定金利は素晴らしい選択肢になります。
金利上昇に耐えられるなら変動を続ける選択肢もある
我が家の場合、シミュレーションを重ねた結果、「今の変動金利から固定金利に変えて毎月の支払いが2万円増える」のと、「将来、変動金利が上がって支払いが2万円増える」のを天秤にかけました。
「だったら、実際に金利が上がるまでは今の安い変動金利のままにしておいて、その間に浮いたお金をしっかり貯蓄(生活防衛資金や教育費)に回した方が、我が家にとっては安全なんじゃない?」という結論に至ったんです。
「〇%までなら上がっても家計の工夫で耐えられる」というボーダーラインが分かっていれば、焦って高い固定金利に乗り換えなくても、変動金利のまま様子を見るという「攻めの選択」もできるようになります。
家計が耐えられないなら固定化を検討する
一方で、「もうこれ以上、月5,000円でも返済が増えたら絶対に家計が回らなくなる!」という限界ギリギリの状態なら、話は別です。
これ以上金利が上がって完全に破綻してしまう前に、一部だけでも固定金利に変えたり、返済額がずっと変わらないフラット35への借り換えを検討して、家計の支出を「これ以上増えないようにロック(固定)する」ことが最優先になります。
「変動か、固定か」の正解は、世の中の金利がどうなるかではなく、「自分の家計がどこまで耐えられるか」で決まるのだと、私はこの一件で深く学びました。
まとめ|金利を予測するより「上がっても困らない状態」を作ろう
「あぁ、あの時『変動の方が安い』って言われた言葉を真に受けず、最初から固定金利にしておけば、今こんなに不安にならずに済んだのに……」
ニュースを見るたびに、過去の自分の選択を呪いたくなる気持ち、本当によく分かります。私も、当時の担当だった銀行員さんの顔を思い出しては「あの野郎……」と心の中で八つ当たりした夜が何度もありましたから(笑)。
でも、どれだけ後悔しても過去の選択は変えられないし、日銀の偉い人たちが決める未来の金利を私たちがコントロールすることもできません。
私たちが唯一コントロールできるのは、「我が家の今の家計」と「明日からの行動」だけなんです。
「金利が上がったらどうしよう!」と見えない未来に怯えて、目の前の子供たちにイライラしてしまうのは、本当に悲しいし、もったいないですよね。
だからこそ、金利を必死に予測するのをやめて、「もし金利が上がったとしても、我が家は困らない」という状態を、今から少しずつ作っていきませんか?
今日、子供たちが寝静まった後で構いません。まずはスマホを手に取って、以下の3つだけやってみてください。
- 銀行のマイページにログインして「現在の適用金利」を確認する
- 「見直し時期」と「5年ルール・125%ルールの有無」をチェックする
- 「もし金利が+0.5%、+1%になったら毎月いくら増えるか」をこの記事の表に当てはめてみる
たったこれだけで、見えない不安のモヤモヤが晴れて、「じゃあ、スマホ代を格安SIMに変えればなんとかなるかな」「来月のボーナスは少し多めに貯蓄に回しておこう」と、具体的な対策が見えてくるはずです。
「完璧じゃなくていい、うまくまわる暮らしを。」
これは私がいつも心に留めている言葉ですが、お金の管理も同じです。完璧な金利予測なんて誰にもできません。肩の力を抜いて、できるだけ“がんばらず”に、でも要所だけはしっかりと押さえて。
これからも続く家族の大切な暮らしを、一緒に無理なく守っていきましょうね!