保険の見直し完全ガイド|学資・生命・医療保険を整理して家計を整える方法
毎月、通帳に記帳するたびに「ズーン……」と重いため息をついていた過去の私。
生命保険、医療保険、学資保険……。
口座からドカンと引き落とされる合計数万円の保険料を見て、「これ、本当に全部必要なの?」とモヤモヤしていました。
4歳と7歳のわんぱく男児を育てる毎日。これからの教育費や、自分たちの老後資金の不安も押し寄せてきます。
SNSを開けば「保険なんて無駄!全部解約してNISAに回すべき!」という極端な声が飛び交い、「やっぱり払いすぎなのかな……」と焦る気持ちばかりが膨らんでいきました。
でも、いざ解約しようと思うと、「もし明日、夫や私が倒れたら、この怪獣2人をどうやって育てていけばいいの?」というリアルな恐怖が足を引き留めるんですよね。
結局、怖くて何も手につかず、毎月高い保険料を払い続けては、日々の家計のやりくりで「削れるところがない!」と一人でイライラを爆発させていました。
「完璧じゃなくていい、うまくまわる暮らしを。」
これは、私が何度も家計管理や家事で失敗し、ボロボロになりながら見つけたモットーです。
保険の見直しも同じでした。
「とにかく解約して保険料を下げる」というゼロか百かの極端な正解なんてありませんでした。
大切なのは、家族の「もしも」をちゃんと守りながら、今の暮らしを楽しむためのお金の「余白」を作ること。
この記事では、「保険料は下げたいけれど、保障がなくなるのも怖い」と葛藤していたかつての私と同じように悩むあなたへ向けて、保険と貯金・NISAをどう使い分けて家計を整えていけばいいのか、私の痛い失敗談も交えながら、わかりやすく整理してお伝えします。
一緒に、無理のない「わが家だけの正解」を見つけていきましょう。
保険を見直す前に「何のために入っているか」を整理しよう
保険を見直そうと思い立ったとき、当時の私は真っ先に「どの保険を解約すれば一番安くなるか?」ばかりを探していました。
でも、これが大きな間違いの始まり。保険料を下げることばかりに目が行くと、いざという時に「肝心なお金が下りない!」という最悪の事態を招きかねません。
まずは解約ボタンを押す前に、「そもそも、なぜ毎月こんなにお金を払ってまで保険に入っているのか」を、冷静に整理し直す必要がありました。
保険は「もしもの大きな損失」に備えるもの
長男が生まれた直後、「親になったんだから、しっかり保険に入らなきゃ!」と謎の使命感に燃えていた私。
勧められるがままに、手厚い特約がたっぷりついた生命保険や医療保険にハンコを押しました。当時は「たくさん保険に入っている=良い親、安心」だと思い込んでいたんです。
でも、後になって気づきました。保険の本来の役割は「不安を消す魔法のチケット」ではなく、「万が一のことが起きたとき、家族が路頭に迷うレベルの『大きすぎる経済的損失』をカバーするためのもの」だということに。
たとえば、大黒柱に万が一のことがあり、今後の生活費や教育費として数千万円が足りなくなるリスク。これは、毎月の節約や手持ちの貯金だけでは絶対にカバーしきれませんよね。
こういう「起きる確率は低いけれど、起きてしまったら人生が詰んでしまうような大ダメージ」に対してのみ、みんなでお金を出し合って助け合う。それが民間保険の正しい使い道なのだと知ったとき、パズルのピースがカチッとはまった気がしました。
貯金で対応できる支出まで保険にしなくていい
「大きな損失に備えるのが保険」。このルールを知ってから過去の自分の保険証券を見返すと、ツッコミどころ満載でした。
「通院1日につき数千円出ます!」「ケガで数日入院しても安心!」といった、細々とした保障(特約)にお金を払い続けていたのです。
たしかに、子どもが小さいうちはケガや病気も多いし、私自身も体調を崩しやすい。「少額でも給付金がもらえたら嬉しいかも」と思ってつけていたのですが……よくよく電卓を叩いてみると、毎月払っている特約の保険料の合計額をそのまま貯金箱に入れておいたほうが、よっぽど手元にお金が残ることに気づいて愕然としました。
「数日間の入院費や、数万円程度の医療費なら、今のわが家の貯金でも十分払えるじゃん!」
それに気づいてからは、「貯金で払えるレベルの出費に、わざわざ高い手数料(保険料)を払って備える必要はない」と割り切れるようになりました。不安をすべて保険でカバーしようとするから、家計が苦しくなっていたんですね。
保険料の安さより「必要な保障があるか」を見る
「なるほど、貯金でカバーできない大きなリスクだけ残せばいいのね!」と意気込んだ私は、次に「とにかくネットで一番安い保険に乗り換えよう」とネットサーフィンを始めました。
しかし、これも素人が陥りがちな罠でした。
安さだけで飛びつこうとしたネット保険の規約をよくよく読んでみると、私が一番不安に思っていた「働けなくなったときの長期的なサポート」がスッポリ抜けていたり、がんになったときの一時金の条件が厳しかったりしたのです。
「危ない、危ない。安くても、いざという時に使えなかったらただのドブ捨てになるところだった……」と冷や汗をかきました。
保険の見直しで一番大切なのは、「今の保険料がいくらか」よりも、「自分がいちばん恐れているリスク(我が家なら、夫婦どちらかが倒れて住宅ローンと教育費が払えなくなること)に対して、十分な保障が用意されているか」を見極めることでした。
保険を見直すときに最初に確認したい3つ
「よし、保険の役割は分かった!じゃあ見直そう!」と勢いづいた私でしたが、次に立ちはだかったのは「で、我が家は結局いくらの保障があればいいの?」という壁でした。
実は、保険の必要額は「お隣のママ友」と「我が家」では全く違います。誰かの正解をそのまま真似してはいけません。
過去の私が、面倒くさがってやらなかったせいで大回りしてしまった「見直し前の3つの現状確認ステップ」をお伝えしますね。
家族構成・収入・住宅ローンの状況を把握する
まず一番大事なのが、我が家の「基本データ」を洗い出すことでした。
「夫の年収はだいたいこれくらいで、私はパートで……」となんとなく頭の中で計算していたつもりでしたが、紙に書き出してみると見落としだらけ!
特に見落としていて恥ずかしかったのが「住宅ローン」の存在です。
我が家はマイホームを購入した際、夫名義で住宅ローンを組み、「団体信用生命保険(団信)」に加入していました。これは、夫に万が一のことがあった場合、住宅ローンの残りがゼロになるというものです。
つまり、夫が亡くなった後の生活費に「住居費」は含めなくてよかったんです!
これに気づかず、「家賃も含めて毎月30万円生活費がかかるから、数千万円の死亡保障が必要だ!」と焦って大きな生命保険に入りっぱなしになっていました。
「今の家計の支出はいくらか」「配偶者が働きに出られる状況か」「子どもが独立するまであと何年か」そして「団信などの恩恵はあるか」。ここを整理するだけで、必要な保障額はグッと現実的な数字に落ち着きます。
現在加入している保険と保障額
次にやったのは、「今、我が家が何の保険にいくら払っているのか」の全出しです。
当時の我が家は、夫の独身時代からの保険、結婚してからの保険、学資保険、さらにはクレジットカードのおまけでついていた謎の保険まで、保険証券があちこちに散乱していました。
「保険料が高い」と文句を言いながら、実は「自分が何にいくら払っているのか」すら正確に把握していなかったズボラな私……。
休日の午後、重い腰を上げて家の引き出しからすべての保険証券を引っぱり出し、ダイニングテーブルに並べてみました。
- 誰が対象の保険か
- 毎月の保険料はいくらか
- どんな時に、いくらもらえるのか(死亡時〇〇万円、入院日額〇〇円など)
- いつまで払うのか(終身か、60歳までかなど)
これをノートに書き出してみると、「あれ?夫の死亡保障、こんなに手厚く2つも入ってたの?」とか「私の医療保険、入院1日5,000円しかもらえないのに毎月こんなに払ってるの?」といった「無駄の正体」が視覚的にハッキリと浮かび上がってきました。敵(現状)を知らずして、見直しはできません。
貯金・NISAなど現在の金融資産
最後に確認したのが、今手元にある「すぐに動かせるお金」の総額です。
「保険は、貯金でカバーできないリスクに備えるもの」という原則に立ち返るための重要な作業でした。
銀行口座の預金残高、そして数年前から細々と始めていたNISAの評価額などをすべて足し合わせてみました。
もちろん大金持ちではありませんが、「もし明日、急な病気で1ヶ月入院して収入が減ったとしても、この貯金があれば半年は家族で食べていけるな」という具体的な数字を目の当たりにしたとき、フッと肩の力が抜けたのを覚えています。
「なんだ、我が家には少しだけど生活を守るための防衛資金があるじゃないか」
そう思えた瞬間、「とりあえず不安だから」としがみついていた細々とした医療保険や特約を手放す勇気が湧いてきました。
現在の金融資産を把握することは、「どこまでを自分たちの貯金でカバーし、どこからを保険に頼るか」という境界線を引くための大切なステップだったのです。
民間保険の前に知っておきたい公的保障
保険を見直すうえで、当時の私が一番衝撃を受けた事実。それは、「私たちが毎月お給料から引かれている『社会保険料』こそが、最強の保険だった」ということです。
給与明細を見るたびに、「またこんなに引かれてる! 手取りが減るじゃない!」とブツブツ文句を言っていた私ですが、実は国が用意してくれているこの公的保障の中身をまったく理解していませんでした。
「国は何もしてくれない」と勝手に思い込み、不安に駆られて民間の保険にたくさん加入する前に、まずは私たちがすでに持っている「お守り」の中身を確認してみましょう。
健康保険には高額療養費制度がある
私が医療保険に手厚く入っていた最大の理由は、「もし大きな病気をして、月に何百万円も医療費がかかったら、あっという間に我が家は自己破産してしまう!」という恐怖からでした。
でも、ある日知ってしまったのです。日本の健康保険には「高額療養費制度」という、とんでもなくありがたい仕組みがあることを。
これは簡単に言うと、「1ヶ月にかかった医療費の自己負担額には、収入に応じた上限がありますよ」という制度です。
一般的な収入の会社員家庭(標準報酬月額28万〜50万円)の場合、ひと月の自己負担の上限はだいたい8〜9万円程度に収まるように計算されます。(※食事代や差額ベッド代、先進医療などは対象外です)
これを知ったとき、「えっ、月に100万円の手術をしても、払うのは実質9万円くらいで済むの!?」と、雷に打たれたような衝撃を受けました。
「医療費で破産するかも……」と怯えて、毎月何千円もする手厚い医療保険を夫婦でかけ続けていた過去の私に、「まずはこの制度を知りなさい!」と説教してやりたくなりました。
働けなくなった場合の傷病手当金
もう一つ、私が漠然と抱えていた不安が「もし夫が病気やケガで長期間働けなくなったら、来月からの生活費はどうしよう」というものでした。ローンもあるし、子どもたちの食べるものも買えなくなる、と。
だから、「働けなくなったときのための保険(就業不能保険)」も必要なんじゃないかとネットで探し回っていたんです。
でも、ここでも会社員の夫が加入している健康保険が守ってくれました。
会社員が病気やケガで長期間休職し、お給料が出なくなった場合、「傷病手当金」という制度が使えます。条件を満たせば、最長で1年6ヶ月の間、お給料(標準報酬月額)の約3分の2の金額が支給されるんです。
「お給料の3分の2が、1年半も出るの!?」
この事実を知ったときの安堵感といったらありません。もちろん、残りの3分の1が減る分は家計のやりくりや貯金でカバーする必要がありますが、「明日から収入がゼロになる」という最悪の事態は避けられるとわかっただけで、気持ちがスッと軽くなりました。
死亡時には遺族年金がある
「もしも夫に万が一のことがあったら……」
この最悪のシナリオを想像すると、本当に涙が出そうになりますよね。子ども2人を私ひとりのパート収入でどうやって育てていけばいいのか。だからこそ、夫の死亡保険には「とにかく多めに!」と数千万円の大きな保障をかけていました。
でも実は、遺族を支えてくれる公的な制度として「遺族年金」というものがあります。
国民年金や厚生年金に加入している人が亡くなった場合、残された子どもや妻に対して、国から年金が支給される仕組みです。
もらえる金額は、亡くなった方の収入や加入期間、子どもの年齢や人数によって細かく変わるので一概には言えませんが、我が家のように幼い子どもがいる会社員家庭の場合、毎月十数万円ほどの遺族年金を受け取れる可能性があるとわかりました。
「そっか、生活費のすべてを自腹(貯金と生命保険)で用意しなきゃいけないわけじゃないんだ」
遺族年金というベースがあることを知って初めて、民間の生命保険で「足りない分だけ」を補えばいいのだと、冷静に計算できるようになりました。
会社員と自営業では保障が違う
ここまで読んで、「日本の公的保障ってすごい!」と安心された方も多いと思います。私もそうでした。
ただ、ここでひとつだけ、絶対に注意してほしい落とし穴があります。
それは、「会社員(社会保険・厚生年金)」と「自営業やフリーランス(国民健康保険・国民年金)」では、受けられる保障の手厚さが全く違うということです。
たとえば、先ほどお話しした「傷病手当金」は、原則として自営業者が加入する国民健康保険にはありません。働けなくなったら、本当に収入がストップしてしまうリスクが高いのです。また、遺族年金も、厚生年金に加入していない分、会社員より少なくなるケースがほとんどです。
「うちはどっちだっけ?」と働き方によってベースとなる公的保障が違うことを知らずに、「国が助けてくれるから保険はいらない!」とSNSの情報を鵜呑みにしてしまうのは本当に危険です。
我が家は夫が会社員だったので公的保障が手厚かったですが、もし独立してフリーランスになったら、民間の保険でしっかり備え直さなければいけないな、と気を引き締めるきっかけになりました。
生命保険は「残された家族に必要なお金」から考える
公的保障という「最強のベース」があることを知った私。次に着手したのが、一番金額の大きい「夫の生命保険(死亡保険)」の見直しでした。
当時の我が家は、「万が一のときは、とりあえず3,000万円くらいあれば安心だよね!」という、ものすごくどんぶり勘定で保険に入っていました。
でも、見直しを通じて、「生命保険はなんとなくの金額で入るものではない」と痛感することになります。
子どもがいる家庭では死亡保障が重要
独身時代や夫婦2人だけの頃なら、万が一のことがあっても、残された側が自分で働いて生きていくことができます。だから、自分のお葬式代程度があれば十分かもしれません。
でも、怪獣のような子どもたちを抱える今、状況は全く違います。
「夫にもしものことがあったら、私が一人でこの子たちにご飯を食べさせ、学校に通わせ、大学まで行かせてあげられるのか?」
そう考えたとき、今の私のパート収入と貯金、そして先ほど確認した「遺族年金」をすべて足し合わせても、やっぱり「数千万円」というお金が足りないという現実に直面しました。
子どもがいる家庭において、大黒柱の死亡保障は「もしも」ではなく、「子どもたちの未来を守るための絶対的な命綱」なのだと、改めて実感したのです。
必要保障額は年齢とともに変わる
じゃあ、やっぱり「ずっと3,000万円」の保障が必要なのか?
実はここが、過去の私が一番勘違いしていたポイントでした。
冷静に考えてみてください。子どもがまだ0歳のときと、高校生になったとき。万が一のことが起きた場合、これから先にかかる「生活費」や「教育費」の総額は同じでしょうか?
当然、子どもが成長して独立に近づくにつれて、これから必要になるお金は減っていきますよね。つまり、「残された家族に必要なお金(必要保障額)」は、時間の経過とともに右肩下がりで減っていくのが自然なのです。
それなのに、当時の私は「子どもが独立するまで、ずーっと3,000万円もらえる保険」に入っていました。
「子どもが20歳になったときに万が一のことがあっても3,000万円もらえるなんて、手厚くて安心!」と思っていたのですが……よく考えたら、その頃にはもう教育費のピークは過ぎているので、そこまでの大金は必要ない可能性が高いのです。
「必要以上の保障」に、毎月高い保険料を払い続けていたことに気づき、愕然としました。
終身保険と定期保険の役割の違い
さらに私を苦しめていたのが、「掛け捨ての保険は損だ!」という謎の思い込みでした。
「毎月お金を払うなら、将来解約したときにお金が戻ってくる『貯蓄型(終身保険)』のほうが絶対お得!」と信じ切り、夫の死亡保障を高い保険料の終身保険で準備しようとしていたのです。
でも、数千万円という大きな死亡保障を、一生涯続く終身保険で用意しようとすると、毎月の保険料は数万円という目の玉が飛び出るような金額になります。結果的に、日々の生活費を圧迫し、「毎月カツカツで苦しい……」と本末転倒な状態に陥っていました。
見直しを通して学んだのは、「大きな保障が必要な子育て期間(たとえば子どもが独立するまでの20年間)だけは、割り切って『掛け捨て(定期保険)』で安く備える」という合理的な考え方です。
掛け捨てと聞くと「もったいない」と感じるかもしれませんが、「安い保険料で、数千万円という大きな安心を買うための必要経費」と考えれば、これほど頼もしいものはありません。
収入保障保険という考え方もある
「掛け捨ての定期保険で備えればいいんだ!」と気づいた私に、さらなる目から鱗の選択肢を教えてくれたのが「収入保障保険」という存在でした。
一般的な定期保険は、万が一のときに「3,000万円!」とドンッと一括でまとまったお金が支払われます。
一方の収入保障保険は、万が一のときから保険期間が終わるまで、「毎月15万円」のようにお給料のような形でお金を受け取る仕組みです。
これを知ったとき、「私には絶対にこっちの方が向いてる!」と思いました。
なぜなら、ズボラでお金の管理が苦手な私が、突然3,000万円という大金を手にしてしまったら、「わぁ、たくさんお金がある!」と錯覚して、うっかり無駄遣いしてしまう未来しか見えなかったからです(笑)。毎月決まった額が振り込まれるほうが、計画的に家計をやりくりできますよね。
しかも、収入保障保険は「時間の経過とともに受け取る総額が減っていく」仕組みなので、先ほどお話しした「必要保障額は右肩下がりで減っていく」という現実の家計の変化にぴったり合っています。その分、毎月の保険料もグッと安く抑えられるのです。
「私が欲しかったのは、これだ!」と、暗闇に光が差したような瞬間でした。
医療保険は「何となく安心」で入りすぎない
生命保険(死亡保障)の次にメスを入れたのが、毎月夫婦で結構な額を払っていた「医療保険」です。
「もし病気になって入院したら、個室代や毎日のご飯代でお金が飛んでいくよね……」「小さな子どもがいるのに、私が倒れたら家計が回らなくなる!」
当時の私は、そんな漠然とした不安を打ち消すように、入院日額が手厚く、いろんな特約がてんこ盛りの医療保険に入っていました。
でも、見直しを進める中で「医療保険こそ、なんとなくの不安で入りすぎている人が多い」という事実に気づき、過去の自分を大反省することになります。
公的医療保険でどこまでカバーされるか
私が医療保険を見直すきっかけになったのは、先ほども触れた「高額療養費制度」の存在です。
一般的な会社員家庭なら、1ヶ月の医療費の自己負担上限はだいたい8〜9万円程度。どんなに大手術をしても、何百万円も請求されるわけではないという事実を知ったとき、「あれ?じゃあ、なんで私、毎月こんなに高い医療保険料を払っているんだっけ?」と立ち止まりました。
たしかに、入院中の食事代や、大部屋ではなく個室を希望した場合の「差額ベッド代」などは高額療養費制度の対象外なので、全額自己負担になります。
それでも、厚生労働省のデータなどを見ると、最近は医療の進歩で入院日数がどんどん短くなっているんです。盲腸なんて数日で退院、大きな病気でも昔のように何ヶ月も入院することは珍しくなっています。
「長期間入院して、何十万円も医療費がかかる」という最悪のケースを想定して重装備の保険に入っていた私は、まさに「昔の常識」にとらわれていたのだと気づきました。
貯金で対応できる範囲を考える
そこで私は、自分の貯金通帳とじっくり向き合ってみました。
「もし今、夫婦のどちらかが1週間入院して、治療費や食事代などで20万円かかったとしよう。今の我が家の貯金から、この20万円をポンと出せるだろうか?」
答えは「出せる」でした。
もちろん、20万円減るのは痛いです。でも、生活が破綻して家を追い出されるような「致命傷」にはなりません。
「貯金で払える数万円〜十数万円の出費に対して、毎月数千円もの保険料を一生払い続けるのって、もしかしてすごく損なんじゃないか?」
ようやくここで、「不安はお金(保険)で全部解決しようとせず、手元の貯金でカバーする」という、家計管理の基本に立ち返ることができたのです。
入院日額だけで判断しない
医療保険を見直すとき、一番やりがちなのが「入院1日につき5,000円もらえるから、10,000円もらえるように増やそうかな」と、入院日額ばかりに注目してしまうことです。私も昔はそうでした。
でも、先ほど言ったように、今の時代は「入院が短く、通院で治す」のが主流です。入院が3日しかなければ、日額1万円の保険でももらえるのはたったの3万円。これでは、毎月払っている保険料の元を取るどころの話ではありません。
だからこそ、医療保険は「入院したら少額のお小遣いがもらえる」という感覚ではなく、「本当に貯金ではどうにもならない事態」を想定して選ぶ必要があります。
日々の細々とした通院や短期の入院は「自分たちの貯金」でカバーし、医療保険はもっと大きなくくりで考えるようにシフトしていきました。
がん・先進医療など必要な保障を考える
「じゃあ、医療保険なんて全部いらないじゃん!」と極端に走るのは、まだ少し危険です。
私が医療保険を見直す中で「これだけは残しておこう」と判断したのが、「がん」などの重い病気にかかったときの一時金と、「先進医療特約」でした。
がんは、一度かかると通院治療が長引き、抗がん剤などの費用が継続的にかかる可能性があります。また、仕事も今まで通りにはできず、収入が減ってしまうかもしれません。こういう「長引く治療と収入減のダブルパンチ」は、手持ちの貯金だけでは心許ないと感じました。
そして「先進医療特約」は、公的医療保険が効かない最先端の治療を受けた場合、数百万円かかる技術料をカバーしてくれるものです。月に数百円程度の保険料でつけられることが多いので、これこそ「起きる確率は低いけれど、起きたら人生が終わるレベルの出費」に備える保険の正しい使い方だと思いました。
「何となくの不安」を全部保険で包み込もうとするのをやめ、「本当に怖いリスク」だけに絞って備える。これだけで、我が家の医療保険料は劇的にスリムになりました。
学資保険は教育費を準備する手段のひとつ
子どもが生まれると、必ずと言っていいほど勧められるのが「学資保険」ですよね。
私も長男を出産した直後、「親になったんだから、子どもの大学費用くらい用意してあげなきゃ!」と焦り、ママ友が「入ったよ〜」と言うのを聞いて、よく調べもせずに慌てて学資保険を契約しました。
「これで将来の教育費は安心!」とホッとしていたのですが……次男が生まれ、家計の負担が重くなってから改めて学資保険の仕組みを勉強し直したとき、「思考停止で入るんじゃなかった!」と激しく後悔することになります。
学資保険のメリットは強制的に貯められること
誤解のないように言っておきたいのですが、学資保険自体が「絶対ダメな商品」というわけではありません。
最大のメリットは、「毎月強制的に口座から引き落とされるので、確実に貯まる」ということです。私のような「手元にお金があると、ついつい子ども服や外食で使っちゃう……」という意志の弱いズボラ主婦にとっては、強力なセーフティネットになります。
また、万が一契約者(親)が亡くなった場合、それ以降の保険料の支払いが免除され、祝い金や満期学資金は予定通り子どもが受け取れるという「保険」の機能がついているのも、預金にはない安心感でした。
「とにかく無駄遣いしてしまうから、鍵のかかった箱にお金を閉じ込めておきたい!」という目的であれば、学資保険は十分に選択肢に入ります。
途中解約やインフレに弱い点も確認する
では、なぜ私が後悔したのか。それは、学資保険の「見えにくいデメリット」を全く理解していなかったからです。
一番のネックは「資金がガチガチに拘束されること」でした。
次男が生まれ、一時的に私のパート収入が減った時期、「毎月の学資保険の支払いがキツイな……ちょっと金額を減らすか、解約して手元にお金を戻そうかな」と考えたことがありました。
でも、契約からまだ数年しか経っていないタイミングで解約すると、「これまで払ったお金より、戻ってくるお金の方が少ない(元本割れする)」という厳しい現実を突きつけられたのです。
「えっ、自分のお金を貯めてるつもりだったのに、損するの!?」とショックでした。途中で引き出せないからこそ確実に貯まるのですが、家計がピンチのときには全く身動きが取れなくなるという恐ろしさを痛感しました。
さらに、今の時代に怖いのが「インフレ(物価上昇)」です。
契約時に「18年後に200万円受け取れる」と約束されていても、もし世の中の物価がどんどん上がって、18年後の大学の学費が今の倍になっていたら……? その200万円の価値は目減りしてしまいます。固定金利の学資保険は、この「お金の価値が下がるリスク」に非常に弱いということも、後から知って青ざめました。
預金・NISAとの違いを比較する
「学資保険=唯一の正解」という呪縛から解き放たれた私は、教育費の準備方法として、他の選択肢とも真剣に比較するようになりました。
まず、一番シンプルな「銀行の定期預金」。
金利は低いですが、何と言っても「いつでも引き出せるし、絶対に元本割れしない」という安心感は絶大です。「とりあえず学資保険!」と飛びつく前に、まずは自動積立の定期預金で毎月コツコツ貯める仕組みを作るだけでも、教育費の準備としては十分機能すると気づきました。
そして最近よく耳にする「NISA(投資信託の積立)」。
投資なので「元本保証がない(減るかもしれない)」というリスクは当然あります。でも、10年〜15年以上という長い期間をかけて世界中の株式などに分散して積み立てていけば、インフレに負けずにお金を増やせる可能性が十分にあります。
「教育費の一部を、時間を味方につけてNISAで育てていく」という選択肢を持てたことで、教育費=学資保険という思い込みからようやく抜け出すことができました。
すでに加入している学資保険は解約返戻金も確認する
「じゃあ、学資保険なんてやめて、全部NISAに乗り換えよう!」
そう思った方、ちょっと待ってください。かつての私もそう思い、勢い余って学資保険を解約しようとしました。
でも、保険会社から送られてきた「解約返戻金(いま解約したらいくら戻ってくるか)」の通知を見て、指がピタッと止まりました。
「今解約すると、数十万円も損するじゃん……!」
そうなんです。貯蓄型の保険は、契約初期〜中盤に解約すると、ほとんどのケースで大きく元本割れします。
もし、昔の金利が高かった時代(お宝保険と呼ばれるもの)に契約していたり、満期まであと数年というところまで払い続けていたりする場合は、無理に解約して損を確定させるよりも、そのまま最後まで払い切った方が「得」になるケースも多いのです。
教育費の貯め方に「これさえやれば正解!」という魔法はありません。
すでに学資保険に入っている場合は、焦って解約ボタンを押す前に、「今解約したらいくら戻ってくるのか(返戻率)」を必ず確認してくださいね。当時の私は、勢いで解約しなくて本当に良かったと、今でも胸をなで下ろしています。
保険と貯金・NISAはどう使い分ける?
「保険を見直そう!」と決意してから、私は情報収集のためにSNSを読み漁りました。
すると、あちこちで目に入るのが「保険なんて無駄!解約して全額NISAに突っ込むのが正解!」という過激な言葉たち。
これを見た当時の私は、大パニックに陥りました。
「えっ、やっぱり保険って悪なの?NISAをやってない我が家は遅れてる?でも、投資ってなんか怖いし……どうしよう!」
保険か、貯金か、NISAか。まるで「どれかひとつだけを選ばなきゃいけない」ような気がして、頭がパンクしそうになっていたんです。
でも、FPさんの本を読んだり、自分なりに家計と向き合って整理していくうちに、ひとつの大きな勘違いに気づきました。
「保険と貯金とNISAは、そもそも『戦うポジション』が違うんだ」と。
サッカーに例えるなら、全員をフォワード(NISA)にしても勝てないし、全員をキーパー(保険)にしても点が取れません。それぞれの得意分野を理解して、チームワークで家計を守る。これが一番しっくりきた「使い分けの正解」でした。
近いうちに使うお金は現金で確保する
まず、絶対に忘れてはいけない基本中の基本が「現金(預貯金)」です。
当時の私は、「銀行に置いておいても増えないから損だ!」と焦っていましたが、現金には「いつでも、すぐに、絶対に減らずに引き出せる」という最強のメリットがあります。
たとえば、我が家のやんちゃな7歳児が突然家の窓ガラスを割ってしまったとき。あるいは、毎日フル稼働しているドラム式洗濯機が突然ウンともスンとも言わなくなったとき。
こういう「明日すぐに必要になる数万円〜数十万円」の急な出費に、保険の給付金を待ったり、NISAを解約して現金化するのを待ったりしている暇はありません。
数年以内に確実に使う予定のお金(車検代や近々の教育費など)や、生活費の半年分(生活防衛資金)は、増えなくてもいいから「現金」として銀行口座にどっしり構えさせておく。これが、日々の家計の不安をなくす一番の土台になります。
大きな損失に備えるのが保険
次に「保険」のポジションです。
SNSの「保険不要論」を見ていると、保険料として払うお金をNISAで運用すれば、もしもの時もそのお金で対応できる、という理屈をよく見かけます。
たしかに、20年、30年と順調に運用できればそうかもしれません。でも、もし「明日」、大黒柱の夫が倒れてしまったら?
積み立てを始めたばかりのNISAの口座には、まだ数万円しか入っていません。おまけに、運悪く大暴落のタイミングだったら、資産が半分に減っている可能性だってあるのです。
「明日起きるかもしれない、数千万円規模の大きな損失」に対して、一瞬で必要額を用意してくれる。これこそが、貯金にもNISAにも絶対に真似できない「保険だけの超能力」です。
だからこそ、「もしも明日起きたら、貯金ゼロになっても払えない!」という絶望的なリスクに対してだけは、保険というゴールキーパーをしっかり配置しておく必要があります。
長期で使わないお金はNISAも選択肢
そして最後に「NISA(投資信託)」の出番です。
現金で足元を固め、保険で最悪の事態をカバーした。その上で「10年以上先まで、当分使う予定がないお金」があるなら、それをNISAのポジションに置きます。
我が家でいうと、4歳と7歳の子どもたちが大学に行くまでの10年〜14年後の資金の一部や、自分たちの老後資金ですね。
ずっと銀行に置いておくと、インフレでお金の価値が目減りしてしまうリスクがあります。だからこそ、当分使わないお金は、世界中の経済の成長に乗せて「時間をかけてじっくり増やす(フォワードとして攻める)」という役割を与えます。
NISAは魔法の杖ではなく、「長期・分散・積立」でリスクを減らしながらゆっくり育てるもの。
昔の私は「投資=ギャンブルで一発逆転」だと思って敬遠していましたが、こうして役割を整理したことで、ようやく「家計の余白で、将来のためにNISAを取り入れてみよう」と前向きに一歩を踏み出すことができました。
保険とNISAは「どちらか一方」ではない
「保険とNISA、どっちがお得?」
過去の私が一番知りたかったこの疑問への答えは、「比べること自体が間違っていた」でした。
すぐ使う「貯金」、万が一の大きな盾になる「保険」、そして遠い未来のために育てる「NISA」。
この3つは対立するものではなく、お互いの弱点を補い合う最高のチームメイトだったのです。
「ぜんぶ保険で備えなきゃ!」と抱え込んでいた過去の私に教えてあげたいです。
「役割分担をすれば、保険料はもっと削れるし、その分を将来のワクワク(NISAや貯金)に回せるんだよ」と。
わが家でも保険を見直してみた
「保険の仕組みも、役割分担もわかった。……で、実際に我が家はどうしたの?」
一番気になるところですよね。
教科書通りの正論だけでは、なかなか重い腰は上がりません。
ここからは、4歳と7歳の男の子を育て、毎月のやりくりにヒィヒィ言っていた私が、夫と二人でダイニングテーブルに保険証券を並べ、どう悩み、何を削り、何を残したのか。
その生々しい「我が家の見直しのリアル」をすべてお見せします。
学資保険をどう判断したか
一番悩んだのが、長男が生まれたときに「とりあえず」で入った学資保険でした。
毎月1万5,000円。大学入学時にまとまったお金が受け取れる設定でしたが、当時は「これさえあれば教育費は完璧!」と謎の安心感に浸っていました。
でも、見直しのタイミングで解約返戻金(いま解約したらいくら戻るか)の表を引っ張り出して計算してみると……。
なんと、今解約すると数十万円も元本割れ(払った額より少なくなる)することが判明!
「うわぁ、マジか……もったいなさすぎる!」と、夫と二人で頭を抱えました。
結局、我が家が下した決断は「長男の学資保険は、悔しいけれどそのまま満期まで払い続ける(キープ)」でした。今解約して数十万の損を確定させるより、最後まで払いきって少しでもプラスで受け取る方が合理的だと判断したからです。
ただし、「学資保険はこれ以上増やさない」と決めました。
次男の分の教育費や、長男の足りない分の教育費については、新たに学資保険に入るのではなく、「自動積立の定期預金(現金)」と「ジュニアNISA(現在は新NISAに統合)」の合わせ技で準備するスタイルに切り替えました。
「全部を学資保険で縛られない」と決めたことで、家計の柔軟性がグッと上がったのを感じました。
生命保険・死亡保障をどう考えたか
一番劇的に保険料が下がったのが、夫の「生命保険(死亡保障)」でした。
独身時代から入っていた夫の生命保険は、いわゆる「手厚い終身保険」のパッケージ。毎月2万円近く払っていましたが、よく見ると「一生涯の死亡保障」と「細々とした特約」がごちゃ混ぜになっていました。
「夫に万が一があったら、残された私と子どもたちにはいくら必要なんだろう?」
遺族年金や今の貯金、私のパート収入をリアルに計算してみると、子どもたちが独立するまでの約20年間を乗り切るためには、あと「約2,500万円」が必要だとわかりました。
そこで、高額な終身保険は思い切って「解約(一部は払済保険に変更)」!
代わりに、必要な20年間だけ、万が一のときに「毎月15万円ずつお給料のように受け取れる『収入保障保険(掛け捨て)』」に加入し直しました。
これだけで、なんと死亡保障の保険料が毎月2万円→約4,000円に激減。
「掛け捨てってもったいない」と毛嫌いしていた過去の自分を叱り飛ばしたい気分でした。安い保険料で、我が家に一番必要な「子どもたちが大人になるまでの数千万円の安心」をピンポイントで買えたことは、精神的にもすごく大きかったです。
医療保険をどこまで残したか
そして、私が一番こだわっていた「医療保険」です。
「私が入院したら、家事も回らないし出費も増えるし絶対に必要!」と、夫婦それぞれ毎月5,000円(合計1万円)払って「入院日額5,000円+手術給付金」などの一般的な医療保険に入っていました。
でも、高額療養費制度があること、そして「我が家の貯金から、10万円くらいなら急な医療費として出せる」という事実を確認したとき、ふと冷静になりました。
「毎月夫婦で1万円。1年間で12万円。10年で120万円……。このお金を貯金しておけば、医療保険なんかいらなくない?」
そう気づき、細々とした入院給付金が出る医療保険は夫婦ともに「スッパリ解約」しました。
その代わり、貯金では太刀打ちできない「がん治療による長期離脱と出費」と、「全額自己負担になる先進医療」だけが怖かったので、それらをピンポイントでカバーする掛け捨てのがん保険(先進医療特約付き)にだけ加入しました。
結果、夫婦あわせての医療系の保険料は、月1万円→月約3,000円に。
「何となくの不安」を手放し、「貯金でカバーできない本当の恐怖」だけに備えを絞ったことで、恐ろしいほどの無駄が省けました。
見直して浮いたお金をどう使うか考えた
学資保険の整理、生命保険の掛け捨て(収入保障)への乗り換え、医療保険のスリム化。
これらをすべて実行した結果、我が家の毎月の保険料は、なんと「約2万5,000円」も浮きました。1年間にすると、約30万円です!
口座から引き落とされる金額がガクッと減った最初の月、通帳を見て一人でガッツポーズをしてしまいました(笑)。
でも、ここで「やったー!浮いたお金で毎月外食しよう!」と使ってしまっては、家計の見直しとしては失敗です。(もちろん、たまの息抜きは大事ですが!)
我が家は、この浮いた2万5,000円を次のように振り分けました。
- 1万円:NISA(投資信託)での長期積立(将来の老後・教育費のブースト)
- 1万円:現金貯金への上乗せ(生活防衛資金をより強固に)
- 5,000円:家族の「ワクワク特別費」(週末のレジャーや、年に1回の旅行用)
ただ将来のためだけにギスギス貯め込むのではなく、5,000円分だけは「今の家族の笑顔」のために使う枠を作りました。
これだけで、休日に「またお金使っちゃう……」とイライラしながら公園に行っていた私が、「よし、今日は特別費から美味しいアイスを買って帰ろう!」と、心から笑って子どもたちと遊べるようになったんです。
保険の見直しは、単なる「節約術」ではありませんでした。
不安の正体を明らかにし、我が家にとって本当に必要な備えだけを残すことで、「今の暮らしを楽しむための余白」を取り戻す作業だったのだと、心から実感しています。
保険を見直すときにやってはいけないこと
「保険料ってこんなに削れるんだ!」と見直しの効果を実感すると、テンションが上がって「あれもこれも全部解約しちゃえ!」と勢いづいてしまうことがあります。
実は私自身、毎月の引き落とし額が減る快感にすっかりハマってしまい、危うく「取り返しのつかない大失敗」をやらかしそうになった一人です。
保険は、家族の命綱。家計を整えたい一心で焦って間違った手順を踏むと、いざという時に一番困るのは自分と子どもたちです。
ここでは、私がヒヤリとした実体験をもとに、見直しの際「絶対にやってはいけない4つのタブー」をお伝えしますね。
保険料だけを見て全部解約する
家計簿とにらめっこしていると、毎月数万円という保険料がどうしても「憎き敵」に見えてきますよね(笑)。
「この3万円がなくなれば、毎月もっとラクになるのに!」と、保障の中身も見ずに「とりあえず全部解約!」とボタンを押しそうになった過去の私。
でも、ちょっと待ってください。
もし全部解約した翌日に、大黒柱が事故に遭ったり、自分が重い病気で倒れたりしたら……?
保険料という「毎月の数万円」をケチったばかりに、「数千万円の借金」や「明日のご飯が買えない生活」を背負うことになりかねません。
見直しは「全捨て」ではなく、「我が家にとって起きる確率は低いけれど、起きたら人生が詰むリスク」への備えだけは絶対に手放さないことが鉄則です。
新しい保障を確認する前に既存保険を解約する
これ、私が本当にやりそうになって冷や汗をかいた失敗です。
「今の高い保険を解約して、ネットの安い保険に乗り換えよう!」と決めたとき、私は先に今入っている保険の解約手続きを進めようとしました。二重で保険料を払うのがもったいないと思ったからです。
でも、FPさんに「絶対にダメ!」と止められました。
なぜなら、新しい保険は「健康状態」によっては審査に落ちて入れないことがあるからです。たとえば、最近たまたま受けた健康診断で引っかかっていたり、ちょっとした通院歴があったりするだけで、加入を断られるケースがあります。
もし先に古い保険を解約してしまっていて、新しい保険にも入れなかったら……。完全に「無保険(何の保障もない状態)」になってしまいます。
乗り換えるときは、必ず「新しい保険の審査に通り、保障が開始されたこと」を確認してから、古い保険を解約してくださいね。
解約返戻金を確認せず貯蓄型保険を解約する
学資保険の章でもお話ししましたが、終身保険や学資保険などの「貯蓄型保険」を勢いで解約するのは非常に危険です。
「毎月の支払いが苦しいから」「NISAに乗り換えたいから」と、契約して数年しか経っていないのに解約すると、これまで自分が払ってきたお金の総額より、戻ってくるお金(解約返戻金)の方が大幅に少なくなってしまいます。
「えっ、あんなに頑張って払ったのに、何十万円も損するの!?」と後悔しても、一度解約したら元には戻せません。
貯蓄型保険を見直すときは、必ず保険会社に「今解約したらいくら戻ってくるか(推移表)」を出してもらいましょう。損が大きすぎる場合は、解約ではなく「払済保険(今後の支払いをストップして、そこまでの保障を残す方法)」にするなど、損をしない逃げ道を探るのが先決です。
SNSの「保険はいらない」をそのまま信じる
スマホを開けば、「保険は情弱ビジネス!」「全額NISAに回すのが正解!」という強い言葉が飛び込んできます。
お金の不安でいっぱいだった当時の私は、こういう発信を見るたびに「やっぱり私のやり方は間違ってるんだ」とグラグラ揺さぶられていました。
でも、よく考えてみてください。
そのSNSを発信している人は、独身の20代かもしれません。もしもの時に頼れる実家が太いのかもしれません。少なくとも、我が家のやんちゃな4歳・7歳の息子たちにご飯を食べさせ、大学まで行かせてくれるわけではありませんよね。
家族構成、貯金額、健康状態、そして「どこまでリスクを取れるか」という性格は、家庭によって全く違います。
誰かの「いらない」は、あなたにとっての「いらない」とは限りません。極端な意見に振り回されず、「我が家はどうだろう?」と自分たちの現在地をベースに考える軸を手放さないでくださいね。
保険見直しで浮いたお金を将来へ回す
さて、無事に我が家だけの「ちょうどいい保険」の形が見つかり、毎月の固定費がグッと下がったとします。(我が家の場合は、月に2万5,000円も浮きました!)
ここで「やったー!今月はちょっと贅沢しよう!」と、給料口座に入れたままにしておくと……悲しいかな、日々のスーパーの買い出しや謎の雑費に消えていき、数ヶ月後には「あれ?保険料減ったはずなのに、なんでお金貯まってないの?」というホラーな現象が起きます(実体験です)。
浮いたお金は、家計に「余白」を作ってくれた大切な資金。
このお金にしっかり「働き口」を与えてあげることで、これからの暮らしが驚くほどラクになっていきます。
まず生活防衛資金を確保する
見直しで浮いたお金の最初の行き先は、何よりも「生活防衛資金」の確保です。
生活防衛資金とは、病気やケガ、突然の失業、または災害などで収入がストップしたときに、家族が当面生活していくための「絶対に手をつけてはいけない現金」のこと。
一般的には「毎月の生活費の3〜6ヶ月分」と言われています。
我が家の場合、「もし夫が働けなくなっても、傷病手当金などの公的保障が出るから、とりあえず現金で100〜150万円くらい手元にあれば、数ヶ月は焦らずに暮らせるな」と計算しました。
この防衛資金がまだ貯まっていないうちは、保険料が浮いた分を全額、手堅く「銀行の預貯金」に回して、まずは家計の基礎工事を終わらせましょう。この「現金のお守り」があるだけで、日々の精神的ストレスが激減しますよ!
教育費など近い将来に必要なお金を分ける
生活防衛資金のメドが立ったら、次は「数年以内に確実に使う予定のお金」を取り分けます。
子育て世帯なら、数年後の車検代、家電の買い替え、そして何より「中学校や高校の入学準備金」などですね。
私の場合、長男が小学校に入学するとき、ランドセルや学習机、制服代などで一気に十数万円が飛んでいき、「えっ、こんなにかかるの!?」と白目になった経験があります(笑)。
こういう「使う時期が決まっているお金」を、リスクのある投資で準備するのは危険です。いざ使うときに暴落していたら目も当てられません。
浮いたお金の一部は、使う時期に合わせて「自動積立定期預金」などで、確実に現金としてロックしておく仕組みを作りました。
長期資金はNISAによる積立も検討する
「現金のお守り(防衛資金)」と「近々使うお金」がしっかり確保できたら、いよいよ次のステップです。
10年以上先まで使わないお金、たとえば「子どもたちが大学に行くときの資金」や「自分たちの老後資金」。これについては、浮いたお金を使ってNISA(投資信託の積立)を始める大チャンスです。
我が家も、見直しで浮いたお金の中から毎月1万円を、重い腰を上げてNISAに回し始めました。
最初は「減ったら怖いな……」とドキドキしていましたが、世界中に分散された投資信託を毎月定額でコツコツ買っていくスタイルなら、日々の値動きにハラハラする必要はありません。
「15年後の子どもたちのために、時間を味方につけてお金に働いてもらおう!」と思えるようになり、家計管理が一気に前向きで楽しいものに変わりました。
インフレへの備えとして資産の持ち方も考える
なぜ私が、怖がっていたNISAに踏み出せたのか。それは、「現金のまま置いておくことの怖さ」を知ったからです。
ここ最近のスーパーでの買い物、本当にため息が出ませんか?
卵も、牛乳も、電気代も、数年前とは比べ物にならないくらい高くなっています。これが「インフレ(物価上昇)」です。
もし、子どものために100万円を銀行に貯金していても、10年後に物の値段が上がっていたら、その100万円で買えるものは減ってしまいます。つまり、「減らない安全な現金」だと思っていたものが、実は「価値が目減りしていくリスク」を抱えているのです。
だからこそ、資産のすべてを現金や固定金利の学資保険で持つのではなく、世の中の経済成長に合わせて増えていく可能性のある「投資(株式など)」にも少しだけ資産を分けておく。
保険を見直して作った数千円、数万円の「余白」は、インフレという見えない敵から家族の未来を守るための、最強の武器になります。
保険は「減らす」のではなく「必要な保障だけ残す」
「保険料が高くて家計が苦しい。でも、解約して保障がなくなるのは怖い……」
そんな葛藤から抜け出せず、毎月の引き落とし額を見て見ぬふりをしていたかつての私。
でも、自分の家庭のリアルな数字(収入、貯金、必要な生活費)と向き合い、国が用意してくれている公的保障の強さを知ったことで、「なんとなくの不安」の正体を突き止めることができました。
不安をすべて保険で包み込もうとして家計が首を絞められていた状態から、「起きる確率は低いけれど、起きたら人生が終わるレベルの出費」だけに保険を残す、というシンプルなルールに変えたのです。
保険の見直しは、単なる「節約」ではありません。
本当に必要な保障をしっかり確保しながら、今の生活を楽しむための「お金の余白」を取り戻す作業です。
我が家は、見直しで浮いたお金を使って、将来のためのNISAと、週末に家族で食べるちょっと美味しいアイスの両方を手に入れました。「できるだけ“がんばらず”に、ちゃんと暮らす」。そんな肩の力の抜けた家計管理の第一歩として、保険の整理は本当に効果絶大です。
まずは休日の午後、引き出しの奥で眠っている「保険証券」をテーブルに広げるところから始めてみませんか?
完璧じゃなくていい。あなたと家族の「今の笑顔」と「未来の安心」のバランスを取るための、あなただけの正解がきっと見つかるはずです。