NISAと金・銀で考える資産防衛|インフレ時代に家計のお金をどう守る?

毎日スーパーのレジで「え、これだけでこんなにするの?」と目を丸くする。数年前の私は、そんな毎日に焦りと不安を抱えていました。

7歳と4歳の男の子を育てている我が家。これからどんどん増える食費や教育費を考えると、一生懸命やりくりして貯金しているだけでは「将来、絶対にお金が足りなくなるんじゃないか」という漠然とした恐怖がありました。

でも、世間で話題の投資をやろうにも、「もし減ったらどうしよう!」「大事な家族のお金なのに……」と足踏みしてばかり。毎日家事と育児でヘトヘトで、難しい金融の勉強をする余裕なんてゼロでした。
「完璧じゃなくていいから、いまの暮らしを守りながら、無理なく将来に備えたい……」
そんな思いで、失敗や迷いを繰り返しながら、我が家なりにたどり着いたのが「現金・NISA・金・銀」というお金の置き場所を分ける方法でした。

この記事では、かつての私のように「貯金だけじゃダメな気がするけど、投資は怖い」と立ち止まっている方に向けて、4歳・7歳男児ママである私の痛い失敗談やリアルな葛藤も交えつつ、できるだけ“がんばらず”に家計を守る資産防衛のステップをお伝えします。

貯金だけでは不安。でも全部投資する必要もない

まずは結論からお伝えしますね。家計のお金を守るために一番大切なのは、「現金だけ」「投資だけ」と極端に走らないことです。両方には、全く違う役割があるからです。

現金には「すぐ使える」という大切な役割がある

「インフレ対策には投資だ!」と焦っていた頃の私は、銀行口座にあるお金をぜんぶ投資に回さなきゃいけないような錯覚に陥っていました。でも、子育てをしていると「今すぐ必要なお金」って急に発生しますよね。

子どもが突然熱を出して夜間救急に駆け込んだり、冷蔵庫が急に壊れて買い替えなきゃいけなくなったり……。そんな「今すぐのピンチ」を救ってくれるのは、やっぱり現金です。
投資の商品は、いざという時にすぐ引き出せなかったり、引き出す時にたまたま価値が大きく下がっていて損をしてしまったりすることがあります。「現金」は増えることはなくても、「いつでも確実にそこにあって、すぐ使える」という、今の暮らしを守るための最強の盾なんです。

一方でインフレによってお金の実質的な価値は変わる

じゃあ、全部現金で持っていれば安心かというと、私がスーパーのレジで感じた「えっ?」という違和感が問題になってきます。

例えば、数年前まで100円で買えていたお菓子が、今は150円出さないと買えなかったり、値段は同じでも中身がグッと減っていたりしますよね。これがいわゆる「インフレ(物価上昇)」です。
銀行口座の「100万円」という数字は減っていなくても、世の中のモノの値段が上がってしまえば、実質的に買えるものが減ってしまう。つまり、「現金の価値が目減りしている」のと同じ状態なんです。毎日特売品を求めて自転車を走らせ、一生懸命やりくりして貯金してきたのに、これに気づいた時は本当にショックでした。

大切なのは現金か投資かの二択にしないこと

「現金は減らないけど、インフレに弱い」
「投資は増えるかもしれないけど、減るリスクもあるしすぐ使えない」

過去の私は、この「どっちを選ぶべきか」という二択でずっと悩んで、身動きが取れなくなっていました。でも、実はどちらかを選ぶ必要なんてなかったんです。
「すぐに使うお金は現金でしっかり守り、当分使わないお金の一部に、インフレ対策として投資に働いてもらう」。この考え方に切り替えてから、お金に対するモヤモヤが一気に晴れました。白黒つけるのではなく、お金に「役割分担」をさせることが、家計を守る第一歩だと気づいたんです。

資産形成を始める前に、お金を使う時期で分けよう

ここでの結論は、「家計のお金を、使う時期ごとに3つに色分けすること」です。投資を始める前にこれさえやっておけば、相場が下がった時にパニックにならずに済みます。

すぐ必要になるお金|生活防衛資金

私が過去にやってしまった一番の失敗。それは「口座にあるまとまったお金を、とりあえず全部投資に回してみた」ことです。結果、ニュースで「株価下落」と流れるたびに、「あのお金が減ったら来月の支払いが……!」と生きた心地がせず、怖くなってすぐに売ってしまい、結果的に損をしてしまいました。

この痛い経験から学んだのが「生活防衛資金」の大切さです。
これは、突然の病気やケガ、夫の休職など、万が一のトラブルがあった時に「とりあえずこれだけあれば数ヶ月〜半年は暮らしていける」という絶対不可侵の現金です。我が家では、生活費の半年分を「何があっても投資に回さない、すぐ引き出せる口座」にガッチリ確保しています。これがあるだけで、心の余裕が全く違います。

数年以内に使うお金|教育費・車・住宅関連費

生活を守るお金を確保したら、次は「数年以内(おおむね3〜5年以内)に確実に使う予定があるお金」を分けます。

例えば、上の子の小学校入学準備、車の車検代、家の修繕費などですね。このお金も、絶対に投資には回しません。
なぜなら、いざ「明日、塾の夏期講習代を振り込まなきゃ!」というタイミングで、たまたま世界的な不況が来て投資の価値が半減していたら、目も当てられないからです。使う時期と目的が決まっているお金は、増やすことよりも「絶対に減らさないこと」が最優先。定期預金や、普通預金でも少し金利が高いネット銀行などで手堅くキープしています。

10年以上使わないお金|長期資産形成

「生活を守るお金」と「数年以内に使うお金」をよけて、それでも手元に残っているお金。あるいは、毎月の家計(固定費や保険など)を見直して浮いたお金。これが「当分(10年以上)使う予定がないお金」です。

子どもの大学費用の一部や、自分たちの老後資金などがここに入りますね。我が家がNISAや金・銀へ投資しているのは、まさにこの部分だけです。
「最悪、一時的に目減りしても明日のご飯には困らないし、10年以上の時間をかけて回復を待てる」というお金だからこそ、日々の値下がりにハラハラせず、どっしり構えてインフレ対策に回すことができます。

投資は「余裕資金」で行う

よく「投資は余裕資金でやりましょう」と言われますが、昔の私は「うちの家計に余裕なんて1円もないわ!」と心の中でツッコミを入れていました。

でも、こうやってお金に「使う時期」というラベルを貼っていくと、「このお金は10年間は動かさなくていいな」というものが見えてきます。それが本当の意味での余裕資金です。
毎日の献立を考えるのに精一杯で、家計簿も細かくつけられなかった私でも、お金を「すぐ使う用」と「しばらく手を出さない用」に分けただけで、自然とこの余裕資金が見えるようになりました。無理して今の生活費を削ってまで投資に回すのは本末転倒。「いまの暮らし」を最優先しながら、余った分だけを未来の自分たちに送るイメージです。

長期の資産形成なら、まずNISAを基本に考える

「10年以上使わないお金」が見えてきたら、いよいよそのお金に働いてもらう仕組みを作ります。ここで我が家が一番のベースに選んだのが、多くの方が耳にしているであろう「NISA(ニーサ)」です。

結論から言うと、毎日往復3時間の通勤に揺られるフルタイムの仕事、帰宅してからは2人の息子のドタバタ劇と終わらない家事……。そんな、株価のチャートなんて見ている時間が1秒もない私にとって、NISAを使った資産形成は「ほったらかしで未来に備える」ための最強のツールでした。

NISAとは何かを初心者向けに整理

投資について調べ始めた当初、私は「NISAっていう絶対に儲かる株があるのかな?」と本気で勘違いしていました。恥ずかしいですよね。

でも、NISAは「投資する商品の名前」ではありません。正しくは、「投資で出た利益に税金がかからなくなる、お得な箱(制度)」のことです。
通常、投資で利益が出ると、約20%の税金が引かれます。例えば10万円儲かっても、2万円は税金で持っていかれてしまうんです。でも、NISAという「箱」の中で買った商品なら、10万円の利益がそのまままるごと自分のものになります。この非課税のパワーは、長期で運用すればするほど家計の強い味方になってくれます。

長期・積立・分散という基本

NISAの箱の中で何をするかというと、「長期・積立・分散」という3つのルールを守るだけです。

かつての私は、「投資=安い時に買って、高い時にサッと売る!」みたいな、ドラマに出てくるトレーダーのようなものを想像して怖がっていました。でも、私たちがやるべき資産防衛は真逆です。
・長期:10年、20年という長い時間をかけてじっくり育てる
・積立:毎月決まった日に、決まった金額を自動でコツコツ買い続ける
・分散:一つの国や会社に集中せず、世界中に少しずつ分けて買う

一度設定してしまえば、あとは毎月自動で口座から引き落とされていくので、仕事や家事でバタバタしていても勝手に資産形成が進んでいきます。これが、私が「がんばらずにできる」と感じた最大の理由でした。

インデックス投資という選択肢

では、NISAの箱の中に具体的に何を入れるのか。私が選んだのは「インデックス投資」と呼ばれるものです。

インデックス投資とは、世の中の経済全体の動き(例えば「世界の株式市場の平均点」など)に連動するように作られた商品のこと。特定の会社を自分で選んで「この会社の業績が上がるはず!」と賭けるのではなく、「世界全体の経済は、長い目で見れば少しずつ成長していくはず」という前提に立って、世界中の会社の株を少しずつ丸ごと詰め合わせたパック(投資信託)を買うイメージです。
これなら、どこか一つの会社が倒産しても、資産がゼロになるような致命傷は避けられます。

オルカンなど世界分散型の商品をどう考えるか

SNSなどで「とりあえずオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を買っておけば間違いない!」という言葉を見たことがありませんか? 私も最初は「みんなが買ってるからこれでいいや」と流されそうになりました。

オルカンは、1本買うだけで世界中の数千社に分散投資ができる、非常に優秀で手間の少ない商品です。我が家もNISAのメインはこうした全世界株式型のインデックスファンドにしています。
ただ、ここで絶対に忘れてはいけない注意点があります。「オルカン=絶対に減らない元本保証」では決してないということです。

世界中の株に分散されているとはいえ、中身は「株式」です。世界的な不況やショックが起きれば、一時的に資産が20%や30%減ることも普通にあります。だからこそ、前の章でお話しした「10年以上使わないお金」だけでやることが鉄則なのです。

NISAを始めるなら「いくら投資するか」を先に考える

NISAの仕組みが分かると、次に悩むのが「じゃあ、毎月いくら積み立てればいいの?」という金額設定です。ここでの結論は、「SNSの真似をせず、家計が苦しくならない・心がざわつかない少額からスタートする」ことです。

最初から大きな金額を投資しなくていい

NISAについて検索すると、「毎月10万円積み立てています!」「夫婦で満額(月20万円)やらないと損!」みたいなキラキラした情報があふれていて、私はすごく落ち込みました。「うちの家計からそんな大金、絶対に出せない。やっぱり投資なんて一部のお金持ちのものなんだ……」と。

でも、投資は誰かと競うものではありません。最初は大きな金額なんて入れなくていいんです。無理をして生活費まで投資に回し、日々の食卓のおかずが一品減ってしまったり、美容室に行くのを我慢してストレスが溜まったりしたら、何のための資産防衛なのか分かりません。

月5,000円・1万円からでも積立は始められる

私は、本当に少額の「月5,000円」からスタートしました。「えっ、そんな少額で意味あるの?」と思われるかもしれませんが、大アリです。

大事なのは「大金を増やすこと」ではなく、「家計の中から、自動でお金が投資に回る『仕組み』をひとまず完成させること」だからです。月に数千円でも、実際に自分のお金が市場でどう動くのかを体験すると、「あ、今日は数百円増えてる」「今日は少し減ったな」と、値動きに対する耐性が少しずつついてきます。いきなり数万円を入れて、翌日に数千円マイナスになってパニックを起こすより、ずっと健全なスタートが切れます。

収入や家計に余裕ができたら積立額を見直す

一度少額で仕組みを作ってしまえば、あとは状況に合わせて金額をチューニングしていくだけです。

我が家の場合、固定費(スマホ代や不要なサブスクなど)を見直して浮いたお金ができたり、長年続けているブログや副業からの収入が少しずつ安定してきたタイミングで、積立額を5,000円から1万円、3万円と段階的に増やしていきました。
「生活レベルを変えずに、浮いたお金や増えた収入の分だけを投資に上乗せする」。こうすることで、無理なく積立額を増やしていくことができます。

相場が下がっても生活に困らない金額にする

投資金額を決める際の究極の基準。それは「もし明日、画面上の数字が半分になっても、夜ぐっすり眠れるか?」です。

もし「半分になったら住宅ローンが払えない」「子どものランドセルが買えない」と青ざめるようなら、それは明らかに投資額が多すぎます(そもそも使う予定のあるお金を入れてしまっています)。
「あーあ、今は下がってるけど、まあ10年後には戻ってるでしょ。今は安く買えるセール期間だな」と、ドカッと構えていられる金額。それが、あなたにとっての適正な投資額です。焦らず、自分のペースで金額を設定してみてくださいね。

インフレ資産防衛として「金」を持つ考え方

NISAで「世界中の株の詰め合わせ(オルカン)」をコツコツ買う仕組みができて、少しホッとしていた私。でも、毎日ニュースを見ていると「金(ゴールド)の価格が過去最高値を更新!」なんて言葉が飛び込んできて、またザワザワし始めました。
「え、インフレ対策ならNISAだけじゃなくて、金も買っておいた方がいいの?」「でも、金の延べ棒なんて買えるお金ないし……」と、一人で勝手に焦っていたんです。
でも、調べていくうちに「金」にはNISAのメインである「株式」とは全く違う、大事な役割があることが分かってきました。

金は企業のように利益を生み出す資産ではない

最初に私が「?」となったのはここです。
株の場合は、その会社が頑張って利益を出せば、配当金がもらえたり株価が上がったりしますよね。でも、金はただの光る金属です。「持っているだけで勝手に子どもを産んで増える」なんてことはありません。
「じゃあ、持っている意味なくない?」と昔の私は思いました。でも、実は「利益を生み出さない」代わりに、「国や会社が潰れても、金そのものの価値は世界中で絶対にゼロにならない」という最強の強みがあったんです。

株式とは違う役割を期待して保有する

我が家がNISAで買っている株は、世界的な不況が来たり、「〇〇ショック」みたいなことが起きたりすると、ガクンと値段が下がります。
そんな時、世界中のお金持ちたちは「株を持っていたら危ない! 絶対に価値がなくならない『金』に逃がそう!」と一斉に動くんです。つまり、「株が下がる時に、金は上がりやすい」という傾向があります。
もし我が家の資産が「株100%」だったら、大暴落が起きた時に真っ青になってしまいます。でも、一部を「金」にしておけば、株が下がった時のショックを和らげるクッションになってくれる。金は「増やすため」ではなく、「守るため・クッションにするため」の資産だと気づいてから、すごく腑に落ちました。

金価格も下落することはある

「なるほど、金は安全資産なんだ! じゃあ絶対下がらないね!」と思って飛びつきそうになりましたが、これも大きな勘違いでした。
実際に我が家でも少しだけ金を買ってみたのですが、買った直後にスルスル〜っと値段が下がって、「えっ、守ってくれるんじゃないの!?」とヒヤッとしたことがあります。金も毎日市場で取引されているので、買いたい人が減れば普通に値段は下がります。「絶対に損をしない魔法の資産」なんて、やっぱりどこにもないんですよね。

金ETF・投資信託・現物など投資方法がある

ちなみに、「金を買う」といっても、怪しいお店に金の延べ棒を買いに行ったわけではありません。
今ではNISAの株と同じように、証券会社の口座からスマホでポチッと買えるんです。私は「金ETF(上場投資信託)」という、数千円から小分けにして金を買える仕組みを利用しています。「投資信託」の形で毎月コツコツ積み立てる方法もありますよ。「金=お金持ちの金庫に入っているもの」というイメージでしたが、普通の主婦でもお小遣い感覚で持てる時代なんだなと感動しました。

銀は金と何が違う?

「金がクッションになるなら、ついでに銀(シルバー)も買っておいたらもっと安心じゃない?」
金について調べて少し自信がついた私は、調子に乗って「銀」にも手を出してみました。でも、実際にやってみて「あ、金と銀って全然違うんだな」と痛感することになります。

銀には貴金属と産業用資源の両面がある

金はアクセサリーなどの「貴金属」としてのイメージが強いですが、銀は少し違いました。
もちろんアクセサリーにもなりますが、実は太陽光パネルや電気自動車、スマホの部品など、「産業用の資源」として世界中の工場で大量に使われているんです。つまり、「世の中の景気が良くて工場がガンガン動いている時」に、銀の需要はグッと高まるという特徴があります。

金より値動きが大きくなりやすい

これが一番の驚きでした。実際に「銀ETF」を買って日々の口座を見ていたのですが……まあ、アップダウンが激しいんです!
金が「ゆったり波に乗る船」だとしたら、銀は「ジェットコースター」。産業に直結している分、ちょっとした景気のニュースで値段がドカンと上がったり、逆にズドンと下がったりします。
「金のおまけ」くらいに軽く考えていた私は、連日の値動きの激しさに「ヒィッ」と心臓が縮み上がる思いをしました。

金の代わりではなく別の資産として考える

つまり、銀は「金の代用品」ではありませんでした。「株のクッションになる金」に対して、「景気の波に激しく乗っかる銀」という感じで、全く別の性格を持った資産だったんです。
同じキラキラした金属だからって、同じ役割を期待してはいけない。これを知らずに「銀の方が単価が安いから、こっちをたくさん買っちゃえ」なんてやっていなくて本当に良かったです。

初心者が銀へ投資するなら比率を大きくしすぎない

そんなわけで、銀は値動きがハラハラするので、私のような「できるだけ心穏やかに暮らしたい」投資初心者ママには、正直言って刺激が強すぎます(笑)。
もし「いろんな資産に分散してみたい」と銀に興味を持ったとしても、最初は本当に全体の数パーセント、お小遣いがちょっと減っても気にならない程度の「ごくわずかな比率」にしておくことを強くおすすめします。主役はあくまで「現金とNISA」、そしてクッションの「金」。銀はほんの少しの「スパイス」くらいに考えておくのが、家庭の平和を守る秘訣だと実体験から学びました。

現金・NISA・金・銀はどう使い分ける?

それぞれの特徴が見えてきたところで、「じゃあ、結局うちの家計ではどう振り分ければいいの?」という疑問が湧くと思います。
結論から言うと、我が家では「現金でガッチリ守りを固めつつ、NISA(株式)を主役に、金と銀を脇役として添える」というバランスに落ち着きました。毎日、やんちゃ盛りな息子2人の相手と往復3時間の通勤でクタクタな私でも、この役割分担を決めてからは、お金の管理で思い悩むことがほとんどなくなりました。

現金|生活を守る

何があっても一番大事なベースは現金です。我が家では、生活防衛資金(生活費の半年分)や、近いうちに使うと分かっている車検代、子どもたちの入学準備金などは、すべて現金でネット銀行に置いています。
「インフレで価値が下がるかも」と焦る気持ちも分かりますが、いざという時に「確実にそこにあって、今すぐ引き出せる」という安心感は、何物にも代えがたい「生活の盾」になります。

NISAの株式投資|長期的な成長を取りにいく

10年以上使わない予定の「長期の余裕資金」は、主にNISAを使って全世界株式(オルカンなど)に積み立てています。これが我が家の資産形成の「主役」です。
世界中の会社の成長に期待して、10年後、20年後の教育費や老後資金をじっくり育ててもらう役割ですね。毎月ほったらかしで自動的に積み立てられていくので、忙しいフルタイムワーママの私には本当にピッタリの仕組みです。

金|株式や通貨とは異なる資産を持つ

NISA(株式)だけだと、世界的な大不況が来た時に資産全体がガクンと減ってしまうのが怖い。そこで、クッション役として「金(ゴールド)」を少しだけ持っています。
金は企業のように利益を出して勝手に増えていくわけではありませんが、「株が下がる時に上がりやすい」「モノとしての価値がなくならない」という性質があります。株式とは全く違う動きをする資産を混ぜておくことで、家計全体の防御力を高めるイメージです。

銀|より値動きの大きい分散先として考える

金と同じ貴金属ですが、産業用として使われるため景気の波を受けやすく、値動きが激しいのが「銀(シルバー)」です。
正直、初心者ママが無理に持つ必要はないかな……というのが私の本音ですが、我が家では「もし景気が良くなって産業が盛り上がった時に、少しでも恩恵を受けられたらいいな」というちょっとしたスパイス感覚で、ごく少額だけ持っています。あくまで「金の代わり」ではなく「別枠の小さな挑戦」という位置づけです。

わが家でもNISA・金・銀を実際に運用している

ここまで偉そうに解説してきましたが、私も最初からこの「役割分担」が完璧にできていたわけではありません。失敗して、ビビッて、少しずつ今の形を作ってきました。参考までに、我が家(4歳・7歳男児、フルタイム共働き)の超リアルな実体験をお話ししますね。

NISAを始めた理由

私がNISAを始めた一番の理由は、ズバリ「将来のお金の不安に押しつぶされそうだったから」です。
毎日往復3時間かけて通勤し、帰ってからは息子のドタバタ育児。自分の時間なんて皆無なのに、スーパーに行けば何でも値上がりしていて、「このまま貯金だけしていても、絶対にジリ貧になる……」という焦りがありました。そんな時、「長期・積立・分散」なら、ズボラで時間がない私でも、今の生活を犠牲にせずに未来への備えができると知ったのがきっかけです。

毎月いくら積み立てることにしたか

最初は「本当に増えるの?」と半信半疑だったので、月5,000円という超少額からスタートしました。ママ友が「月5万円やってるよ!」なんて言っているのを聞いて焦ったこともありますが、「他人は他人。我が家は相場が下がっても笑っていられる金額でやる!」と腹をくくりました。
その後、家計の固定費(不要な保険やサブスク)を見直したり、細々と続けているブログからの副業収入が少しずつ入るようになったりして、家計に余裕ができた分だけ、少しずつ積立額を増やしています。絶対に「今月の生活費」には手を出さないのが我が家のルールです。

金ETFを持っている理由

NISAで世界株(オルカン)を買い始めて数ヶ月。たまたま株価が数日間ドーンと下がった週がありました。
「わかっちゃいたけど、やっぱりマイナスを見ると胃が痛い……」。自分のリスク耐性の低さを痛感した私は、「株価が下がった時に、代わりに上がってくれる(または下がらない)資産が欲しい!」と強く思いました。
そこで証券口座から少額で買える「金ETF」を見つけ、毎月少しずつ買い足すようにしました。金の現物を買うようなお金はありませんが、ETFなら数千円から買えるので、お小遣い感覚でクッションを作ることができています。

銀ETFにも投資している理由

完全に「好奇心」です(笑)。金について勉強しているうちに「銀っていうのもあるんだな。しかも金より単価が安いじゃん」と軽い気持ちで買ってみました。
最初は「同じ貴金属だし、金と一緒にクッションになってくれるでしょ」と勘違いしていたのですが、これは本当に浅はかでした。

実際に買って分かった値動きの違い

実際に自分の口座にお金を置いてみて、初めて分かったことがあります。
NISAの株(オルカン)は、日々小さく上がったり下がったりしながら、ゆっくり進んでいく感覚。
一方の「金」は、株が調子悪い時に「私に任せなさい!」とドシッと構えてくれているような安心感がありました。
そして問題の「銀」。これはもう、ピョンピョン飛び跳ねるじゃじゃ馬です(笑)。急にドカンと上がったかと思えば、翌日にはズドンと下がる。
「あ、これ本当に全然違う生き物なんだな」と身をもって知りました。だからこそ、それぞれに違う役割を持たせて、バランス良く(銀は本当に少なめに!)組み合わせることが、家族の大事なお金を守ることにつながるんだと実感しています。

資産形成でやらないようにしていること

現金、NISA、金、銀。我が家の資産防衛の形がようやく出来上がってきましたが、ここまで来るには本当にたくさんの「ヒヤリ・ハット」がありました。
今振り返ると、「あの時、思いとどまって本当に良かった……」と思うことがいくつもあります。ここでは、私が家計を守るために「絶対にやらない」と心に誓っている5つのマイルールをお話ししますね。

生活防衛資金まで投資しない

繰り返しになりますが、これが一番大事なルールです。
NISAの口座で少しずつお金が増えていくのを見ると、人間って欲が出るんですよね。「これ、銀行に寝かせている生活防衛資金も全部入れたら、もっと増えるんじゃない?」って、悪魔のささやきが聞こえるんです。
でも、過去にそれで失敗し、毎日株価のチェックばかりして家事も手につかなくなった経験があるからこそ、ここはグッと堪えています。投資はあくまで「余裕資金」でやるからこそ、ほったらかしでドシッと構えていられるんです。

上がっている資産へ一気に飛びつかない

ニュースで「歴史的な金価格の高騰!」なんて見ると、「うわ、今買わないと乗り遅れるかも!」って焦りますよね。昔の私は、こういう時に慌ててドカンと買っていました。
でも、投資の世界では「ニュースになってみんなが騒いでいる時が、一番値段が高い(天井の)時」ということがよくあります。案の定、私が飛びついた数日後にスルスル〜っと値段が下がって、激しく後悔したことがあります。
今は「上がっている時こそ焦らない。どうせずっと積み立てていくんだから、淡々といつもの額を買うだけ」と、自分に言い聞かせています。

一つの資産だけに集中しすぎない

「オルカンが最強だから、他のものは一切いらない!」
「銀がこれから絶対に来るから、生活費以外全部銀に突っ込む!」
こんなふうに、何か一つの資産だけに「全集中」するのは、家計のお金を守る上では非常に危険だと思っています。

もし「絶対」だと思っていた資産が、想定外の事態で大暴落したら、家計へのダメージが大きすぎますよね。だからこそ、増やす役割の「NISA(株)」、守る役割の「現金」、クッションの「金」というように、全く違う性質のものを組み合わせておくことが、最大の防御になるんです。

SNSの予想だけで売買しない

X(旧Twitter)やInstagramを見ていると、「明日の株価はこうなる!」「来月は〇〇ショックが来るから全部売れ!」といった情報が山のように流れてきます。
投資を始めたばかりの頃は、こういう見ず知らずの人の「予想」を見るたびに心がザワザワして、「え、どうしよう、売った方がいいのかな」と振り回されてばかりでした。
でも、毎日家事と育児でクタクタなのに、スマホを見てさらに疲弊するなんて本末転倒です。「プロでも予想は外れるんだから、素人の私がSNSを見て動いても意味がない」と割り切ってからは、SNSの煽り文句はスルーできるようになりました。

短期の値動きで長期方針を簡単に変えない

我が家の投資の目的は、「10年後、20年後の教育費や老後資金のため」です。
それなのに、数日や数ヶ月といった「短期」で相場が下がったからといって、「もうNISAやーめた!」と簡単に方針を曲げてしまうのは、一番もったいないことです。
相場が下がっている時は、「今は安く買えるバーゲンセール中なんだな」くらいに思って、基本的には「見ない・気にしない」のが一番。ほったらかしにできることこそが、忙しいママにとっての最強の投資法です。

まずは少額でも「家計から資産へ回す仕組み」を作ろう

いかがでしたでしょうか。
毎日夕食の献立に悩み、スーパーで特売の卵をカゴに入れながら「お金、大丈夫かな……」と漠然とした不安を抱えていた数年前の私。そこから少しずつお金の勉強をして、「完璧じゃなくていいから、今の暮らしを守りながらできることをやろう」とたどり着いたのが、今の「役割分担」のスタイルです。

現金、NISA(株式)、金、銀。
それぞれに違う長所と短所があり、どれか一つが正解というわけではありません。「すぐ使うお金」は現金でガッチリ守り、「当分使わないお金」はNISAでじっくり育て、インフレのクッションとして「金」を少し添える。

「投資なんてうちの家計には無理……」と思っている方こそ、まずは「月5,000円」からでいいので、仕組みを作ってみてください。
家計の見直しや固定費の削減で浮いたお金を、ただ銀行に置いておくだけでなく、少しずつ未来の自分たちへ仕送りをしていく感覚です。

私たちは毎日、家族のために十分すぎるくらい頑張っています。だからこそ、お金のことまで毎日ピリピリして、スマホの画面に釘付けになる必要はありません。
「できるだけ“がんばらず”に、ちゃんと暮らす。」
そのために、お金たちにもしっかり自分の持ち場で「役割分担」をして働いてもらいましょう。この記事が、大切なお金との付き合い方に悩む誰かの、背中を優しく押すきっかけになれば嬉しいです。


参考情報